明日をうる。
鈴ノ木 鈴ノ子
あすをうる。
よう、ひさしぶり!
選挙には行ったかい?
興味を持ってくれたなら嬉しいぜ!
俺かい?俺は相変わらずだぜ。
店を開いて商売さ。
ああ、何を売っているかって?
そうさな、素敵な明日を売ってるよ!
え?明日は売りもんじゃないって?
いやいや、立派な立派な売りもんさ。
明日ってのは生もんでね、売り方が難しい。
下手に売れは腐っちまうし、相手も自分も嫌な気持ちになっちまう。
まぁ、たまには腐る日もあるんだけどな!
え?どう売るのか教えてほしい?
いやいや、企業秘密だぜ。
まぁ、他ならぬあんたの頼みだからな、すこーしだけ教えてちゃおう。
いいかい、明日を売るってのはな。朝の出だしが肝心さ。
すこーし早くに起きて見て、まずは、ゆっくり体を起こす。
そして朝食、これを抜いたら行けないぜ、朝の食べ物は百薬の長!だからな。
そして、短気は損気、まぁ、どんな嫌なことがあってもな、馬鹿にして考え過ぎないことさ、
いや、自分のミスなら仕方ないぜ。
でも、釣り銭が遅いだ、待ち時間が長いだ、そんなくだらんことで気を立てる。
こればよくない、自分にも、他人にもよくない。
それが巡り巡って自分に返ってくることもあるんだよ。
輪廻って言葉があるだろう?それは現世でも生きてるのさ。
巡り巡って自分に落ちる、これは存外あることなんだぜ。
まぁ、そうして一日過ごすわな、そして帰宅したならよ、夕飯食って、ゆっくり風呂に入るのさ。
ああ、スマホなんて持ち込こまない、音楽も聞かないことさ。
静寂を楽しむんだよ。え、静寂なんてないって。
いやいや、静寂ってのはよ、生活音でもあるんだぜ。
何も考えないで風呂に浸かって体を癒して、綺麗さっぱりしたならよ。
すこーし、好きなことをして、そして何時もより早めに寝ることさ。
え?それは理想の生活だって?
いやいや、理想ってのはよ、自分で作っていくことさ。
理想は理想、現実は現実、そんなことはないんだよ。
理想のために現実を曲げて作っていくことが、明日をうることになるんだよ。
そうして行けたなら、自分の素敵な明日を売っていく、そんなことにもなるのさね。
そんなこと無理だって?
あんた、そんなことはないんだよ。
いい、加減、って知ってるかい?
「いい加減」じゃないよ、これは腐った奴のやることさ。
いい、加減さ。まぁ、いい塩梅ともいうかもな。
適度に力を抜いてみて、適度に頑張ってみることさ。
それが積もり積もってゆけば素敵な理想に近づくよ。
ちょうど明日から新年さ。
やってみるのもいいかもよ、あんたならできること間違いなし。
その自信はどこからだって?そんなもん、あんたを見てればわかるのさ。
あんたは大丈夫、立派だよ。誰がなんと言おうともあんたは立派にやってるさ。
生きている、これだけで十分立派なことなのさ。
くだらないって思うかい?いや、これは意外と難しいことなのさ。
大晦日だってのに、説教臭くなっちまったな。悪い悪い。
まぁ、お互いに素敵な新年にしようさね。
あんたなら大丈夫、きっと素敵な一年を過ごせること間違いないさ。
俺だって素敵な一年過ごしちゃうよ。そう思うことが肝心さ。
一年の計は元旦にあり!
素敵な新年迎えてよ、素敵な一年にしてこうぜ!
明日の自分を売り込むために、今の自分を整えよ!ってな。
さぁ、さぁ、俺も新年を迎える準備でもしようかね。
じゃぁ、良いお年を!
ああ、明日を売るって話だけどよ、言い方変えると、明日を得るってことなのさ!
じゃぁな!グットラック!
明日をうる。 鈴ノ木 鈴ノ子 @suzunokisuzunoki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます