第2話 エルフの男子生徒



 今日も元気に学校に登校だ!

 深夜に勉強しすぎて、遅刻しそうになったけど。


 しっかし、攻略対象達はあいかわらず病んでるな。


 クラスを見回すと、病んだ目が三つは見つかるぞ!

 ヒロインのマリンちゃんは、ヒロインらしく澄んだ目をしてるってのが対照的だ。


 あいつら、ちょっと何かあると、すぐ目からハイライトが消える。それ、ちょくちょく消えて良いもんじゃないからね。


 過去エピソードに関係あるんだろうけど、詳しく把握できてないんだよな。


 根ほり葉ほり聞くわけにもいかないし。


 今も、生徒会に入った攻略対象の一人、ミュクゼが病んだ視線になっていた。


 その視線の先には、一人の男子生徒がいる。


 うーん?

 特に相手は普通の男子生徒に見えるけど。あ、耳がとがってる。あの生徒、エルフか。


 俺が一度改変して、両親達が死なないようにしたけど、やっぱりミュクゼがああなってるって事は、彼等は死んでしまったのだろうか。


 それで、ミュクゼは仇を追って、この学園に進学……とか?


 そんな所だろうか。


 じゃあ、あの生徒は仇的な存在?


 全部想像だけど、ミュクゼの目に宿る敵意のような光を見てると、あながち間違いでもないような気がしてきた。


 難しいな。


 復讐をやめろっていうのは簡単だけど、それが生きるための希望になってるケースもあるんだし。


 復讐じゃ幸せになれない、なんてきれいごとをただ直球で言ったって、心に響くわけがない。


 むやみに、忠告するだけじゃだめだと思う。


 どうしたもんかな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る