第3話 シグナ君に相談



 !ミュクゼが病んで、エルフの男子生徒に絡んでる!

 

 そんな光景を見た俺は、さっそくその解決方法を人に相談する事にした。


 自力で考える?


 むりむり、勉強と違ってそういうのって、これといった答えがないじゃん。


 不自由だった前世の人生十数年プラス十数年しか生きてない俺の狭い視野で、鮮やかな解決方法が出てくるわけない。


 なら、相談相手は誰にするのが良いか。


 父、母?


 いやいや、子供の頃から俺の奇行に悩んできた二人に、悩みの種を提供するのはさすがに可哀そうだし。


 そんな事より、まず自分の事やれって言われそう。


 というわけで、数年前から加わった養鶏場のスタッフ、シグナ君に聞いてもらう事にした。


「かくかくしかじか、というわけなんだ」


 どう思う?


 するとシグナ君は「はぁ?」という顔になった。


「復讐? かたき討ち? 兄ちゃん、そんな事実際にあるわけないだろ。何言ってるんだよ」


 そういう事が実際に起きるのがゲームなんだよ。


 ここ現実だけど、ゲームの世界の現実だし。


 何とか、考えてくれ。


 俺が拝みこむと、真剣だと言う事が伝わったらしい。


 腕を組んで悩んでくれた。


「新しい生きがいを探してやればいいんじゃねーの? それか忙しくして、復讐なんて考える暇なくすとか」


 なるほど!


 まあ、それくらいなら俺も思いついてたけど。


「すでに思いついてたみたいな顔するんだったら、聞くなよ。ほらほら、掃除の邪魔。兄ちゃんは学校の勉強でもしてろって。特待生枠で入ったっていっても、ずっと学費を免除されるわけじゃないんだろ?」


 おっとそうだった。


 半年ごとに学力チェックが入って、一定の成績にとどかないと支援が打ち切られてしまうのだ。


 攻略対象達が気になるけど、自分の事もおろそかにはできないな。


 俺は良い子・優しい子・気遣いできる子なシグナ君の頭を「なでなでなでー」っとした。


「子ども扱いすんなって」

「ごめんな。俺の代わりに働かせちゃって」

「別に、今さらだし。兄ちゃんがニワトリに好かれない体質なのは知ってるし」


 そう、俺子供の頃からニワトリの事を鳥畜生よびしてたせいか、なつかれないんだよな。


 それどころか、目に入ったら集団でつつきまわされる。


 親の仇のような目で見られて、攻撃される。


 別に君達の親を殺して回ってるわけじゃないのにさ。


 まあ、本能で察っしてる所があるのかもな。


 鳥嫌いな俺の本音とか。


 だって、鳥は嫌いなんだ。


 前世から自由に動けない俺の遙か頭上で、人の事あざ割ってるかのように鳴きまくってたし。


 声がカンにさわるっていうかさ。


「コケェェェェ!」

「いててててっ」

「ほら、言ってる傍から」


 くっそ、この鳥畜生め。


 その機会さえあれば、チキンにしてやる。



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