第三章 神の教徒
第1話 特待生枠
俺は、養鶏場の家の息子だ。
鳥畜生を相手にしながら餌を運んだり、懐から卵を奪ったりするのが本来の仕事だ。
そんなに所得はないので、お金持ちではないから、身分は庶民になるかな。
まあ、売れてても鳥にまみれた金持ちなんていないと思うけど。
そんな俺は、学校に通っている。
前世では、そんなに気にした事はなかったけど、結構この世界では学校に通うのは大変な事だ。
ある程度のまとまったお金がないと子供を学校へ通わせる事ができない。
だから、生徒の比率はは自然と金持ちの家の子達が多くなる。
でも特別に、お金がない人間でも入学する事ができる事もある。
それが特待生の制度だ。
勉強ができる優秀な奴の学費を免除してくれるやつ。
その代わり、卒業したら金を出してくれた奴の所に働きに行かなくちゃならないけど、頭が良くても貧乏な奴には大助かりだ。
学校の運営費?みたいなのは国が出してるんだけど、こまかい金は別の所が出してる感じ。
自分とこの商品の宣伝をするとか、そう言った時にな。
俺はどうやって学校に入ったんだって?
俺は別に天才とかそんなじゃないぞ。
でも、原作の舞台に行ってみたかったし、攻略対象達の事が気がかりだったからさ、頑張った。
結果、どうにか特待生の枠にギリギリでおさまったという所だ。
おっと眠くなってきたな。
「ZZZZZZ……、べんきょーべんきょー」
「ちょっといつまで寝てるの? もう学校行く時間よ」
「なぬっ」
はっ、いかん勉強で夜更かししすぎて遅刻するとこだった。
母ちゃんさんきゅー。
入学したてまもないころに不良になるとこだったぜ。
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