リッシュモン大元帥のひとりごと(2)あとがきアストロロジー

(※)前回の「あとがき」に入れる予定だった雑文です。本編+勝利王の書斎だけでも情報量が多すぎるのに、あとがきまで長文になったため分割しました。







 西洋占星術アストロロジー(ホロスコープ)を読むスキルを生かして、キャラクター作りの参考にしています。


 前回の「リッシュモンから見たシャルル七世像」は、史料と本人のホロスコープ(出生図)から割り出したキャラクター設定に基づいています。青年期編は、このふたりの「屈折した主従関係」も書きたいテーマのひとつです。




***




 シャルル七世(太陽:魚座、月:蠍座)の表向きの性格は優しくて温厚。涙もろい。恩義と恨みを絶対に忘れない。

 ぼんやりしていて流されやすい反面、常人には理解できない高い知性の持ち主。

 

 表向きはホンワカしていてチョロそうなのに、知れば知るほど、底知れない深みというかミステリアスというか「闇」を抱えているように見えます。

 本当はクレバーで、実務能力ピカイチ!(水星と土星の配置から解釈)。


 賢明王シャルル五世がわかりやすい秀才タイプだとしたら、シャルル七世はめったにいない奇人変人・天才タイプ。その才能と人柄は、一部の人から熱狂的に愛され、一部の人から強く嫌われます。ファンもアンチも多数(木星と天王星の配置から解釈)。


 未明〜早朝に生まれていた場合、「悲劇の天才」オプションがつきます。

 何ひとつ思い通りにならない、自分ではどうすることもできない困難が何度も立ち塞がります。耐え難い困難のもとで才能が磨かれ、私心・私欲を捨てたときに常人には成し遂げられない奇跡を起こす——という星まわりです。別名・神(宿命)に拘束された者。


 個人的な幸せは望めない。利他のために生きる人。

 そうでなければ、百年間——ヴァロワ王朝五代にわたってこじれた戦争に終止符を打つことはできなかったでしょう。


 ジャンヌ・ダルクの生年月日は不明ですが(諸説ありますが、過去の聖人の記念日を当てはめているだけで根拠のない日付けです)、シャルル七世の生年月日は勝利王と呼ばれるにふさわしい星を持っています。強いです。




***




 リッシュモン(太陽:乙女座、月:射手座)はまじめで几帳面。結果そのものより、過程を整えることが好きです。

 心に決めた「推し」に絶大な忠誠心を捧げ、献身的に尽くします。

 というか、そういう愛し方をする…らしい。


 シャルル七世・リッシュモン主従の相性について。

 「合わせ鏡」のような関係です。ちっとも似ていませんが、実はお互いの「裏の顔」を体現する存在。

 正反対の性格でありながら、互いに意識せざるを得ない。未熟なときは相手をうとましく感じますが、成長すると他に代わりの効かないリスペクト相手になります。

 宿命のライバル、または運命のパートナー。

 自分と全然違う相手を認めて、愛する・理解できたら最強のコンビになります(シャルルの太陽と、リッシュモンの太陽の配置から解釈)。


 また、リッシュモンにとってシャルル七世は「生きる目的」「人生の光」であり(シャルルの太陽と、リッシュモンのドラゴンヘッドの配置から解釈)、ストーカーじみた執着をあらわにする可能性があります(ハーフサムという読み方で、リッシュモンの「執着線」をシャルルがピンポイントで刺激する…)。


 それから、英雄色を好むと言いますが。

 リッシュモンの金星と火星の配置から見て、まじめなのにフェロモン過多でめちゃくちゃモテる上に、じつは本人も恋愛体質で性欲強いタイプと見受けられます。むっつりスケベですね(断言)。しかも、タブーな相手ほど燃え上がるという厄介ぶり。

 そこへ小惑星ベスタが絡むため、恋愛・セクシャル関連がコンプレックス化して「相手に受け入れてもらうために願望と欲望を手放す」という、こじらせ禁欲キャラが出来上がります。


 リッシュモン好みの「タブーな相手」がもしシャルル七世だとしたら。

 変な言い方ですが、「理想的なタブー相手」ですね。かつて仕えた主君(シャルル七世の兄ルイ)の弟であり、兄嫁の弟でもあり、イングランド・ブルゴーニュ派に属していたときは敵で、寝返ってからは主君で、10歳も年下で、同性で、お互いに既婚者。


 本来あってはならない願望や欲望を、まじめなリッシュモンが自覚していたか無自覚だったかわかりませんが、どちらに転んでもドラマチックな展開が予想できます。


 小説としては、リッシュモンが執着する「過程」や「理由」をいかにして説得力ある物語にするか——

 さらにいうと、シャルル七世はリッシュモンを受け入れてくれるのでしょうか。







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