幕間 とある少女たちの、存在しないはずの会話4

 ~ルナ、マイア、リーゼ視点~


「迷惑をかけたわね」


「まったくよ。頭に血が上るとすぐにああなるんだから、注意してよね」


「でも、今回はミツキがいてくれてよかったよ」


「……そう、ね。彼には、あの力を抑える特訓にも付き合ってもらうし、感謝してもしきれないわ」


「そうね。でも、それだけじゃないんじゃない?」


「むふふふ、そうだよねー、ルナ」


「……何よ、ふたりとも」


「あの力の反動がひどいのは知ってるけど、あんなにくっつく必要あったのかしら?」


「ボクたちが仕事してるときも、ずっと二人きりだったよね? 何を話してたのかな?」


「…………なんでもないわ。この力を抑える助言を聞いてただけ……」


「本当に? あたしたち以外とは、仕事上の付き合いしかしないルナが?」


「あんなに長い時間、話してたのに?」


「……あの力のことだけよ。ほら、もういいでしょう。明日は特訓と、スクラップベアの痕跡探しの続きをやるんだから。早く宿に帰って休むわよ」


「あー、待ちなさいよ! そんなふらふらなのに、ひとりで行くのはやめなさい」


「そうだよ、ルナ。転んじゃうって。あっ──」

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