第10話 冒険者の装備

 3人に連れていかれたのは、町にある工房だった。


 工房といっても、壺などを作っている場所じゃない。


 武器や防具が置いてある工房だ。


 その店舗に入ると……


 おおー! 


 剣や鎧が端から端までいっぱいだ!


 データ上では知ってたが、並んでいる実物を見ると圧巻だな。


 これが意識離脱型VR!


「私たちがよく使っているお店です。ミツキの気に入るものもあると思います」


「そうだな、序盤だとこの店は使える装備が多かった気がするよ」


「序盤?」


「あ、こっちの話」


 ゲームの設定なんて言っても、通じないだろう。


 それよりも、ひとつずつ見ていこう。


 剣のステータスは……


 って、装備の仮想ウインドウが開かない!?


 装備のステータスがわからないぞ。


 くっ……ここもおかしいのか。


 頭の中のメモに書いておこう。


 店で売っている装備に関しては、内容を覚えているので、序盤で役に立つものを買っておこう。


 支払いを済ませる前に、いろんな武器を触ってからな。


 実際に持ってみると……この重量感……本物みたいだな。


 

 俺は武器をひとしきり触ったあと、一番性能のいいジャケットを買って店を出た。

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