幕間 とある少女たちの、存在しないはずの会話1
~ルナ、マイア、リーゼ視点~
「ありえないわ、何なのよ……アイツ!」
「いやー、すごいよねぇ。ホーンラビットの群れをあっさり退治したと思ったら、ランページボアも一人でやっつけちゃうし……『シルバー』でも数人で戦わなきゃ難しい相手なのに」
「しかも、素材が完全に残るように手心を加えてね。あの実力なら『ゴールド』の中堅って言われても信じてしまうわ」
「あたしだって、あのくらいはできるわ! じゃなくて……そんなやつが、冒険者でもないって何? しかもこの国の街道を目的もなく歩いてた? 絶対に怪しいわよ!」
「そうなんだけどねー。なーんか、変な感じがしないんだよねー」
「悪意がしないものね。なんというか……楽しんでる感じしかしない……」
「モンスターとの命のやり取りが楽しい? 戦闘好きのバーサーカーってこと?」
「うーん……そういうのとも違うよね……」
「そうね。王城からはしばらく様子を見ておくように言われているし、もう少し調べていきましょう」
「……あんな得体のしれないの。閉じ込めておけばいいのに……」
「それはできないよー。お姫様を助けてもらったんだもん」
「それに、彼はまだ力を隠しているわ。下手に捕まえると逆効果かもしれない」
「だからって……」
「ボクは一緒に冒険するの、楽しみだなー。強い人と一緒だとワクワクするよ!」
「そうね。パーティとしてもやれる幅は広がるわ」
「……! あたしは反対よ! 絶対に、あいつの化けの皮を剥がしてやるんだから!」
3人の少女たちは、ホーンラビットとランページボアの肉が焼けるのを待ちながら、そんなことを話し合っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます