第16話ベンチで昼食

「今日は、お弁当日和ですわ~」

学園での午前中、授業を終えたシェリル嬢はいつものベンチに座り手に持っていた昼食を広げていた。

「あっ!シェリル~っ、」

シェリル嬢に笑顔を向ける女子が駆け寄り。ベンチに座るシェリル嬢に声をかけた。

「此処にいたのねシェリル、私も一緒に昼食を取っても良い?!」

「ええ、良いわよ。シャロン」

シェリル嬢に声をかけたのは、同じクラスのシャロン男爵令嬢がベンチに座り昼食を取る姿があった。

「カイン様は?」

「お兄様は、アルフレッド様と一緒よ」

「本当仲が良いのね…カイン様とアルフレッド様って、あ!そうだわアルフレッド様は、明日誕生日で私達をお城に招待されたの知っていた?」

「ええ、知っていたわ…」

シェリル嬢は持っているパンを食べ、隣で見ていたシャロン嬢がジッと食べる姿を見ていた。

「…何、シャロン…わたくしの顔に何か付いているの?」

「えっ、ごめんなさい…珍しいパンを食べているようだからつい見てしまって…」

「ああっ、これの事?厨房で丸いパンと野菜とハムを見てなんとなく…パンを半分に切って野菜とハムを挟んだなんでもないパンだけど」

「…でも美味しそうね、私も料理長にそれ作って貰おうかしら…」

「それでしたら、少し工夫してソースを付けたら美味しいわよ」

「えっ、本当!?」

ワイワイと昼食を楽しむ二人は、シェリルの兄カインとアルフレッド王子の隣にはミレニ-伯爵令嬢の歩く姿に気付いた。

「ね、ちょっとシェリル向こうから歩いているのはカイン様とアルフレッド様じゃない!?」

「ええ、そうね…」

「あらっ?何故ミレニ-嬢も一緒にいるの?それもアルフレッド様の隣に…!?」

「……」

(お兄様…気まずそうですわ…何故ミレニ-様がご一緒にいるの?わたくしが見ました時はお兄様とアルフレッド様お二人でしたが…途中で会いましたのかしら?!…でも、今までミレニ-様は学園内ではお連れしませんでしたのに、明日婚約発表しますから隠します事は無いという事かしら?)

ベンチに座るシェリル嬢とシャロン嬢の近くまで来ると兄カインの笑顔があり、シェリル嬢の元へ行こうとアルフレッド王子に声をかけた。

「アルフレッド、私は失礼します」

「どうしたんだカイン?」

「い、妹が居ましたので私は此処で…」

「妹!?」

アルフレッド王子は、カインから妹のシェリルがいると聞きベンチに座るシェリル嬢に目を向けた。

「…気分は良いみたいだな」

「はは…では私はこれで、邪魔者は消えますので」

「まあっ、カイン様ったら」

「待てカイン!」

「え?」

「どうしましたの?アルフレッド様、カイン様はわたくし達お二人にして下さっているのですよ」

「私も一緒に行こう」

「「えっ!?」」

同時に声を出したカインとエミリー嬢は、先に歩くアルフレッド王子に驚いていた。




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