第10話シェリル仮病する

「まあ、なんて素敵な花でしょう」

「有り難う御座います。ミレニー様に褒め言葉を頂き花達も喜んでおりますわ」

「私達は席を外します。若い者同士会話を楽しんで下さい」

アルフレッド王子を屋敷へ招待した親友のカインと両親はアルフレッド王子の婚約者であるミレニー伯爵令嬢を紹介され、庭園へと招待する事に成った。

「もうすぐ、アルフレッドの誕生日だね」

「ああっ、誕生会は城内で行うつもりだ。学園生徒全員呼ぶつもりだよ」

「盛大だね」

「アルフレッド様、わたくしとの婚約を御知らせして暮れますか?」

「ああっ、皆の前で発表をするつもりだ」

「ふふっ、嬉しいですわ~わたくしとアルフレッド様の婚約を聞きました方々が、アルフレッド様の周りに寄り添わなければ宜しいですが…」

「ミレニーには済まないと思っている…彼女達には私に婚約者が居ることを話して居たのだが……」

「わたくしの事でしたら心配は要りませんわ、最近ではカイン様が御側にいらっしゃいますので、女子の方々も御側に寄る事が出来ませんもの」

ニコッと笑顔をアルフレッド王子とカインに向けていた。

「私は席を外すから御二人で楽しんでくれ、妹の様子を見てくるよ」

「ああ…私達が来てから一度も姿を見せて居ないな…」

「体調が悪いみたいなんだ。」

「そうか、心配だな…別の日に訪ねた方が良かったかな?」

「有り難う、心配要らないよ。アルフレッドとミレニー嬢は楽しんで、また後で」

「ああ、分かった」

カインは二人を庭園に残し屋敷の中へと入って行った

「アルフレッド様…」

「ん?」

「カイン様の妹様には御会いした事は御座いますか?」

「…あると思うんだが…いつもカインの側にいるせいなのか、カインの妹にまともに出会った記憶が無いというか…カインに会うと妹が側に居るのも分からなくなるみたいなんだ」

手を頭に触り困ったような顔を見せるアルフレッド王子に、ミレニー伯爵令嬢はボソッと声に出した。

「まぁ…可哀想……」

「ん?どうしたんだ?」

「いいえ、なんでも御座いませんわ。わたくしは幸せ者だと思っておりましたの」

グイッとテーブルの椅子に座るミレニー伯爵令嬢がアルフレッド王子の腕に手を伸ばし頭を寄せていた。

「ミレニー、メイド達が見ている」

「ふふっ、構いませんわ、わたくしはアルフレッド様の婚約者ですもの」

アルフレッド王子とミレニー伯爵令嬢は二人だけの時間を楽しむ頃、部屋の中ではメイドのアニーとお茶を楽しむシェリル嬢がいた。

「このお菓子初めて食べるわね、アニーも食べてみて」

「ええっ、そんな高級なお菓子を頂いても良いのですか?!」

「ふふっ、良いわよ」

サクサク、と二人はお菓子を食べていた時だった

コンコン!

「シェリー気分はどう……」

モゴッ…とクッキーを食べるシェリル嬢をカインは扉を開けたまま立っていた。

「……シェリー、お腹が痛いのは?」

「ゴックン…カインお兄様このお菓子美味しいですわよ」

ニコッと笑顔を見せるシェリル嬢にカインは「はぁ…」と息を吐きパタンと扉を閉めた。

「……シェリルお嬢様、カイン坊っちゃま御部屋を出られましたけど宜しいのですか?」

「……」

サクッとビスケットを食べるシェリル嬢は(後でカインお兄様に謝りましょう…)







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