第7話シェリル一人になる

昼食を終え、暖かな学園の庭で二人の男子が教科書を開き仲良く教え合う姿があった。

「そうか、こんな解き方もあったんだ」

「ああっ、私も最近解った事なんだ」

「さすがだな、カインは先生の教えよりお前の教え方が解りやすい」

「はは、煽てても何も出ないよ」

『ハハハハ』と楽しく勉強をしていますカインお兄様とアルフレッド様は、今日も仲が宜しくてお兄様方が座りますベンチから二つ程離れましたベンチに、わたくしは一人昼食を取っております……急にお兄様が『今日はアルと一緒に食べるから』と言われまして初めての事でわたくしは声も出ず頷くだけでしたわ。

「……」

数日前、お兄様とアルフレッド様御二人だけの御話しを致しました時から、アルフレッド様が毎日の様にお連れに成って居ました女子の方々では無く、カインお兄様をお連れに成ります日が多く成りました…

それだけでは在りません、父の仕事は騎士ですが下級騎士の為、今まで下町の門番でしたのに王様がアルフレッド様とお兄様の仲を知りまして、父の仕事が城内へと上がる事に成り家族は大喜びでしたわ。

そしてわたくしにも……

「あの、シェリルさんベンチの隣は空いていますか?」

「…」

キラキラと上級貴族の男子がわたくしに声を掛けます事が多く成りましたわ

「すみません、先約がおりますの」

「そうですか……」

この貴族の男子は昨日と今日もわたくしに声を掛けて来ました方です。

「……あの…御尋ねしても宜しいですか?」

「え!?あ、はい…」

諦めて帰ろうと足を動かされましたのをわたくしは呼び止めて仕舞いましたわ…

「何故わたくしの様な下級貴族に声を掛けますの?わたくしよりも他の女子の方々がいらっしゃいますわ」

「…家名は関係在りません…ただ御話しが出来たらと……」

「……先約の方がまだ来ておりませんので少しだけでしたら御話しが出来ますわ」

「!!」

トン!と隣に座るように手で叩きましたわたくしを見て、嬉しそうに頬を染めます貴族様は、わたくしが座っていますベンチに座りまして「ありがとう」と御礼まで言われましたわ。

別に御礼を言われます様な事はしておりませんのに…






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