第6話茂みの中でスヤスヤと
『はあはあ…はあはあ……』
『○○○○~ん、何処なの~っ?』
『あ~ん、居なく成っちゃった。やっと捕まえたと思ったのに~、ねぇ、そっち見つかった?』
『ダメ!逃げちゃったわ』
『ええ~っ!?』
……なんですの?女子の方々が沢山居ますわ…それに見た事も無い服を着て…わたくしは何故か隠れて彼女達を見ている様な……
『○○ちゃん!』
あっ!夢に出てきます弟様ですわ、どうしたのかしらわたくしの前にいて周りをキョロキョロとしていますが…何方かに追われているのでしょうか?
『○○ちゃん、今のうちに逃げよう、でも驚いたよ後ろが騒がしいと思ったら○○ちゃんが女子に追っかけられていたからさ』
ええーっ!?わたくし女子の方々に、追われますような事を何かしましたかしら……確かわたくしはカインお兄様とアルフレッド様の御二人を隠れて見ていましたのに…女子の方達に見付かりましたの?
グイッ!と手を繋ぎますのが分かりわたくしは驚きましたわ…お兄様意外の人と手を繋ぎますなんて……
『行こう、○○ちゃん』
ニコッと笑顔を見せます弟様の笑顔はなんだかとても嬉しそうですわ……わたくしは夢を見ているのでしょうか…それとも……
ユラユラ…と身体が揺れているのに気付きわたくしは閉じていました瞼を開け驚きました。
「気がついたかい?シェリル」
「……お?…お兄様?!」
わたくしを抱き抱えて歩いていますカインお兄様に驚きました…何故?わたくしはカインお兄様に抱えて貰って居るのですか?
「クスッ、驚いたかい?シェリーの名前を呼んだけど起きる気配が無かったから抱き上げることにしてね、寝顔が凄く良かったけどまたいつもの夢かい?」
「夢……そうですか…夢でしたの……と、言っています場合では在りませんわ、わたくしは何故お兄様に抱き抱えて貰って居ますの?」
「ん?」
ニコッと笑顔を見せますカインお兄様に「笑顔が素敵ですわお兄様」「有り難うシェリー」といつもの会話をしてしまいましたわ。
「お、お兄様降ろして下さい…」
「馬車まで連れて行くよ」
「……わたくしが茂みに居ましたの分かって居たのですか?!」
「うん…そうだね、気配がものすごく感じたからねシェリーが居ると分かってしまったんだ」
「う…ごめんなさい……お兄様、盗み聞きをしまして…」
「クスッ、気にして居ないよ話しを聞いていたなら三人で会う話しも聞いたかな?」
「その御話しでしたらわたくしは御断り致しますわ、わたくし一人御話しの輪に入る事が出来ませんもの…それにわたくし、アルフレッド様と御話しがしたいと思っておりませんわ」
「変わっているねシェリーは女子達はアルフレッドとの会話を楽しんでいるけど」
「婚約者がいらっしゃいますのに他の女性を連れ回されますアルフレッド様は嫌ですわ」
「うーん、それもそうだけどアルフレッドも婚約者の彼女を避けて居るわけ無いと思うけど、女子達の勢いに負けていると思うんだ」
「……」
(カインお兄様の御話しを聞きますと、わたくしが見ました夢の中で同じような事が在りましたような…)
「……お兄様とアルフレッド様はいつ御話しが終わりましたの?」
「そうだね、少し前かな?アルが先に帰った後、茂みに隠れている場所へシェリーを呼びに行き、君は茂みの中で横に成りスヤスヤと眠って居たからね。ふふっ、可愛い寝顔をアルに見られなくて良かったよ」
「お、お兄様…!」
カア~ッと頬が熱く成るのが分かりましたわ…そのままお兄様はわたくしを降ろしてくれず馬車があります所まで抱き抱えたままでしたわ。
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