第3話夢の中の卵焼き
『ただいま~っ』
学校から帰り、家に着いた俺は玄関で声を出すとトットットッ…と階段から降りてくる弟が出迎えてくれた。
『お帰り、兄ちゃん!』
『おう、ただいま…って何だ?ニヤニヤと何笑ってんだ?』
『へへへ、じゃじゃ~ん、兄ちゃんから教えてもらった問題、テスト範囲に出てたんだぜ、真っ先に兄ちゃんに見せようと思ってさ』
『へえ~っ、やったじゃん』
『へへっ、兄ちゃん約束覚えてる?』
『約束?何か言ってたか?』
『ひっでえ、忘れてる~っ、このテストで80点取ったら卵焼きサンドイッチ作ってくれるって約束したじゃん!』
『そんな約束したか?』
『ひっでえ~っ、兄ちゃん』
『はははは、覚えてるよ待ってろカバン部屋に置いてくる』
『やった~つ!』
『卵焼きのサンドイッチなんてお前も作れるだろう』
『俺が作るのは甘くない卵焼きになるから兄ちゃんの甘い卵焼きが食べたいんだよ』
『お前も変わってるよな甘い食べ物苦手な癖に、なんで俺が作る甘い卵焼きだったら食べるんだ?』
『へへっ、内緒』
『は?』
『…』
「……」
ポカポカと日射しが良くまた夢を見ましたわ…今度ははっきりと分かるくらい兄弟達の夢だと分かりましたわ。
お兄様と名乗ります方のお顔が見えませんでしたが、その方の心が分かるのは何故でしょう…夢なのに夢では無いと思いますのは何故?弟様も学園にいます男子の方と余り変わりませんお顔ですが、笑顔がとても素敵な方です…学園で御会いした事があるのでしょうか…
「シェリー目が覚めたかい?」
「……カインお兄様…」
学園の中でベンチに一緒に座り、兄の肩に寄り添いそのまま眠ってしまったシェリル嬢は目を覚まし身体を寄せていたのを起こし上げた。
「ごめんなさいお兄様、私…昼食後眠ってしまって」
「今日は天気が良いから眠たくなるのは仕方無いよ、それにシェリーの笑顔が良く見れたからね」
「笑顔ですか?」
「ふふっ、良い夢を見ていたんだね食べ物の名前まで出していたようだよ」
「食べ物の名前ですか?」
「ああ、聞いた事の無い食べ物だったよ…確か卵焼き?と言っていたね私も食した事はあるかな?!」
「…いえ……私も食した事が在りませんので分かりませんが、夢の話しですから…多分卵料理だと思いますわその『卵焼き』は……」
私は何故夢の中の『卵焼き』が卵の料理だと分かるの?料理もした事が在りませんのに…
「『卵焼き』……と言ったのは誰だ?」
「!」
ガサッと側を歩いて来たのはアルフレッド王子で今日も数名の女子と一緒に歩いていた。
朝、馬車から兄と一緒に降りたシェリル嬢は、アルフレッド王子と初めて顔を合わせ、朝の挨拶を終えた後アルフレッド王子はシェリル嬢には目を向けず兄のカインを連れシェリル嬢は一人取り残された朝の出来事があり、アルフレッド王子とは会いたく無いシェリル嬢だった。
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