第2話王子は害虫

「お兄様、私アルフレッド様が嫌いですわ」と、言え無いシェリル嬢は、馬車の中で向き合い座る兄カインに心の中で伝えていた。

「どうしたんだいシェリー?」

「何でも在りませんわお兄様、今日もお兄様を取り合う光景を見なくては成らないと思うと胸が痛むのです。」

「大袈裟だなシェリーは、私の側に来る女子達はアルフレッド王子が側に居るからだよ、身分が低い私には関係無いよ」

「いいえ、お兄様は分かって居ませんわ学園の中でのお兄様は頭が良くて、男子でも女子でも御優しく学園の人気者なのですわ~っ、アルフレッド様は関係御座いません、ただの王子様で女子を連れて歩き回ります害虫ですわ」

「が、害虫?……シェリー女の子がそんな言葉を使っては駄目だよ……」

「コホン、失礼しましたお兄様、私にはアルフレッド様がその様に見えますので…お兄様、御親友を傷付けてしまいまして申し訳御座いません」

ニコッと微笑むシェリル嬢にカインは困った笑顔を見せていた。

「シェリー、アルフレッド王子の誕生会の披露宴が終わったら一緒にお茶会をしょう」

「えっ!本当ですの?お兄様、私と一緒にお茶会をしてくれるの?」

「ああっ、約束するよ」

「嬉しい~っ、お兄様有り難う御座います。あっ!アルフレッド様の御誘いは断って下さい、お兄様」

「クスッ、分かっているよそれに、アルフレッド王子も誕生会の時に正式な婚約発表をするみたいなんだ」

「あらっ、アルフレッド様に婚約者の方が居たのですか?知りませんでしたわ…いつも大勢の女子を連れ回されて居ましたから……でも、嫌ですよね婚約者が他の女子を連れて歩いて居るなんて…どなたですの?」

「ああっ、それは……」

ガタン!と馬車が止まり執事が扉を開け「カイン坊っちゃま、シェリルお嬢様、学園に着きましたで御座います」

「有り難う、シェリー降りるよ」

「…はい、お兄様」

アルフレッド王子の婚約者を聞く前に学園に着き、先に馬車から降りたカインがシェリル嬢の手を取り、馬車の近くでその光景を見ていた学園の男女が「ほぅ…」と頬を染めて二人の姿を見ていた。

「カイン!」

馬車を降りた二人に真っ先に声を掛け、笑顔を見せて近寄る男子に、カインもそれに答えるかの様に笑顔を見せ声を掛けた。

「アルフレッド王子!」

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