~薔薇のマドモアゼル~番外編

たから聖

第1話 再出発への道…。

リサは裁判所に居た。…ただ、ただ弁護士の話をぼんやりと聞いていた。


【お母様…私、何でお父様と争っているんだろうね?】 悲しい現実と向き合うには…


まだリサの心が、追い付いていかなかった 確かに、お父様は怖くて…憎らしい存在…。だけど、本当の娘を訴える程なの…?

リサはどん底に居た。 もちろん元ピエロの証言もあり、


元ピエロの青年は… 証言台にも立った。元ピエロの青年は…リサを助けたい一心だった。


リサは、両手で顔をおおい、涙を流していた。 あの時の…アップルパイ…。母親は…どれ程 私に救いを求めて居たのだろう?


母親がアップルパイを作る時は嬉しい時だった。


古ぼけた一軒家で、きっとリサとの再出発を望んでいたに違いない。


リサは泣き崩れてしまった。 元ピエロの青年は、発言に力があった。証拠というより、


リサの幼少期に受けたショッキングな出来事まで裁判では露呈してしまい…父親側が【上告してやる!いまいましい!】と裁判長が

【静粛に、トントン!】


ピエロの雇った選りすぐりの敏腕弁護士の勝利となり…


リサの父親は…リサに二度と近寄らない様に、と裁判長に念を押された。


慰謝料もリサに払う羽目になってしまった。 リサの父親は…裁判に負けたのだ。と同時に、スキャンダラスな過去をパパラッチらは…ほじくりかえしていた。


リサはようやく父親と…離れる事が出来た。 【逆転勝訴…。】とだけ小さく新聞に後日…掲載されたのだ。 リサは裁判長に、お辞儀をした。弁護士にも…お礼を伝えた。元ピエロの青年は、リサを思わず抱き寄せた。

【良かった!良かった!】


元ピエロの青年は…弁護士と共に、リサを食事に誘った。


途中…ブティックに寄り道をして、リサをパーティースタイルに変えたのだ。リサが、戸惑っていると…元ピエロの青年は…ため息をつき。 【ビューティフル、マドモアゼル?】 リサは、ドレスアップして、さらに美しく見えたのだ。元ピエロの青年は、リサの美しさに見とれてしまった。


数日後…元ピエロの青年が、ブライダルリングを品定めしていた。花束も、やはり…リサに似合う、薔薇の花束を用意した。 リサはアパートに越していたのだが、青年が迎えに行くから、待ってて!とデートに誘っていたのだ。リサも青年の包み込む様な 優しさや、リードしてくれる紳士ぶりには心を奪われていた。


リサは、とびきりの衣装を着て、化粧もナチュラルに仕上げ……なかなかの色っぽい仕上がりになった。


アパートの真下に、青年の車が止まりリサは上から見ていた。 お互いが顔を見つめあい、青年は花束と指輪を差しだし

【マリーミー…君は、僕には必要な天使だ。どうか受け取ってくれないか?!】

と結婚を申し込んだ。 リサは、すぐさま…

【イエス…。】

と答え、2人は抱き合った。幸せ絶頂の2人は… そのまま2人で旅に出かけてしまった。 元ピエロの青年は、実業家になっていたのだが、リサは…シンデレラストーリーを手にしたのだ。 リサは間もなく、母親になる。愛する夫との間に、

ベビーがお腹の中にいた。ハネムーンベビー…。2人は歳を重ねても…いつまでも…いつまでも互いの存在を大切にしていた。






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