第五話 エピローグ 皆さま、よいお年を迎えられますように(隅田天美)
二千二十一年もあと、数分で終わる。
平野平家は家長だった平野平春平が亡くなって、一応は喪中なのでおせち料理も、毎年の餅つきもせず静かな年末である。
正行は酒を少々飲んで眠くなって自室で寝ている。
「弱いなぁ」
と言いつつ秋水も眠くなり二階に上がる。
石動家は新しい家族が増えたため少しだけ豪勢なパーティーをした。
もちろん、寮から帰って来た兄弟も招いてノンアルコールのパーティーだ。
年明けとともに石動と秋水がセレクトした映画を観る予定だ。
今日だけは悪い子でも許そう。
猪口家、というより猪口直衛は仕事であった。
警察官という職業は書類との格闘でもある。
酒の代わりにブラックコーヒーを淹れて飲む。
その時、年が明けた。
自分の知らないジャンルに手を出してみた 隅田 天美 @sumida-amami
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