第4話 初めての出会い

 真澄とまともに顔を合わせて言葉を交わしたのは、昨年の秋祭りの夜だった。

 どの場所からも花火が見えなくて、神社の境内からふらふらと移動していたら、裏の森で真澄と出会った。

 父親が交番のお巡りさんで、1年前に異動に伴って転校してきたと聞いたことがあった。母親は昔に離婚して、父ひとり子ひとりだと。

 コンビニなどですれ違ったとき、綺麗な人だと思った。容姿は何より、寂しそうな雰囲気が、その辺の子とは違うと思った。

 ぼんやりと花火を眺める真澄は、今にも消えてしまいそうだった。白い頬に、涙が見えた。

 真澄は了に気づき、黙って微笑んだ。

 そのときから、多分。

 了は真澄に惹かれていた。

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