第2話
出張の仕事はつつがなく終わった。後は個人的にやろうと思っていた用事を済ますだけ。新大阪では見つからなさそうだったから、大阪駅の近くにあるらしい全国展開の量販店で買うことにした。
仕事の移動が地下鉄だったせいで、図らずもダンジョンと言われるあの地下街を歩くことになる。話通り複雑で、危うく店にたどり着けないまま時間切れになるところだった。再開発でできたらしい地下街の大通り近くの改札から出られたことが幸いした。
何とか目的のものが買えた僕は、どこでも見ることのできる量販店の袋を慎重に持って新幹線へと急ぐ。不安と、それでもより大きな期待とささやかな達成感。
余計なことまで書いてしまいそうで、新幹線の車内で打った彼女への連絡は手短になった。同じくらい手短な彼女の返信。いつも通りのそっけないくらいの調子で、僕は少し安心する。
言いたくなってしまいそうなことを抑えたせいか、帰りの車中はずっと彼女のことを考えていた。
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