木曜日 慣れた生活に部活の時間短縮
夏休みも終わり、そろそろ生活のリズムを体がおぼえてきた。
クラスメイトたちとは再会したが、それほど嬉しいわけでもなかった。
ただ暑い。
夏服でも暑い。
蝉は鳴かなくなってきた。
私のいたミナヅ小学校には、クマゼミしかいなかったようだ。
理科の先生が断言していた。
(そういえばあの先生、好きだったなぁ・・・。)
いい先生だった。
今もミナヅで、どこのクラスを担当しているのだろうか。
部活・・・夏休み中も毎週、練習をしていたので皆久しぶりとは言わなかったし、言う気もなかった。
キャッチボールをしている時に、夕焼けを見た記憶がある。
だが、そんなわけはない。
最初にキャッチボールはやるけれど、夕焼けになるほど遅くまでずっとしていたわけではないから。
だけど、この時は三年生の先輩がいて、幸せだった。
胸には期待と憧れと希望、この幸せな未来形三原則があふれていたから。
「えー、部活が時間短縮になりまして、五時間授業の際は――」
突然、昼の放送で流れてきたときにはびっくりした。
熱中症があまりにも多すぎて保健室が熱中症患者であふれたのが原因らしい。
今年は例年に増して増して増しまくって、真夏日が多いんだと。
でも、気にすることはない。
このとき私がそれに対して、何も感じていなかったのは事実だ。
それにもうすぐ、九月の定期テストがやって来る。
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