第44話 まんが
今の時代、まんがはウェブが主流になって、紙の雑誌は少なくなってきましたが、昭和の頃は次々と新しい雑誌が創刊されていました。私は小学校低学年で「なかよし」「りぼん」「ちゃお」など、付録付きのまんが雑誌と出会い、「プリンセス」や「花とゆめ」は創刊号から読み始め、高学年では「週刊マーガレット」を毎週楽しみに買いに行きました。
私が最初にハマったまんがは「なかよし」で連載されていた高階良子先生の「地獄でメスが光る」という作品です。天才イケメン医師が死体をつぎ合わせて理想の美女の体を作り、醜い少女ひろみの脳を移植するというものです。調べてみると連載されていたのは私が小学校一年生から二年生くらいのことだとわかりました。イケメン医師はマリファナを吸っていたらしいし(当時は葉巻くらいに思っていた)、小学生が読むには大人すぎる内容だと思うのですが、友達のひろみちゃん(仮名)と一緒にハマって、読んでいました。先日、有名漫画サイトにあるのを見つけ、立ち読みしてみましたが、「絵が昭和!」と少し違和感があったとはいえ、いろんなシーンをリアルに覚えているのは、何度も何度も読んだからだと思います。
数えきれないほどあるまんがの中で私が一番影響を受けたのは「ベルサイユのばら」です。フランス革命にめちゃくちゃ詳しくなりました。でも、テストにはちょっとしか出ないんですよね。オスカルやマリーアントワネットの絵をどれだけ真似して描いたことでしょう。バラの花、フリルやドレープのあるドレス、ブロンドの髪などを上手に描けるようになりました。ひろみちゃん(仮名)とベルばらごっこをしたので、主なセリフも覚えています。
「プリンセス」で連載されていた「イブの息子たち」は、BLのはしりとも言える作品ですが、これもひろみちゃん(仮名)と一緒にハマっていました。4年生から5年生くらいだったと思います。その他、「キャンディキャンディ」「はいからさんが通る」「オルフェウスの窓」「ぼくの地球を守って」(これはギリギリ昭和)も何度も読みました。
一方、男子がハマっていたまんがにも影響を受けています。同じクラスで仲が良かった男子がよく「死刑!」と言っていました。この「がきデカ」は少年チャンピオンで連載されていました。彼はやがて「まことちゃん」にハマります。私は弟が「まことちゃん」を全巻揃えたため読み耽り、「グワシ!」「ビチグソ」「〇〇なのらー!」と、日常生活でも使いこなしていました。
弟は、「シティーハンター」「キャッツアイ」「Dr.スランプ」も揃えていて、これらも大好きでした。「シティーハンター」の冴羽獠はめちゃくちゃイケメンで、すぐもっこりになるんですよね。……で、もっこりってなあに?
某音楽教室の待合室にあった少年マガジンは時々待ち時間に手に取っていました。衝撃だったのは永井豪先生の「けっこう仮面」でした。けっこう仮面は女性で、赤いマスクと手袋とマフラーとブーツは身につけているのですが、ほぼ全裸なんです。スッポンポン。パンツ履いてない! でも、微妙にマフラーとかで大事なところは見えないように描いてあるので、それが余計にエッチなんです。今はあんなに露骨なまんがはないのではないかしら。
そういえば、「ベルサイユのばら」でアンドレがオスカルと「契りたい!」と1人で悩むシーンや、オスカルのブラウスをビリビリ破いて強姦しそうになるシーン、そしてついに結ばれるシーンがあるんです。当時は意味がわかっていなかったのですが、大人になって読むと
「めちゃめちゃエッチじゃねーか!」
と、ビックリしました。うちの親、よくこんなもん読ませていたなと。更に、アントワネットとフェルゼンの恋は不倫なんです。小学生の私、結構過激なものを読んでいます。
そんな私は「源氏物語」を大和和紀先生の「あさきゆめみし」で味わうのでした。我慢できずに少女とヤッちゃうなんて、光源氏ったら、なんてことを! 通い婚とはいえ、突然イケメンが家に来てヤられちゃう数々の女たち。エロエロ。結構ワイセツな名作だと気がついたのは大人になってからでした。
子供の頃、「まんがを読むとバカになる」と大人に言われながらも、こうしてエロいものも下品なものも歴史や古典もまんがで読み、日本のまんがの成長と一緒に大人になった私。昔のまんがは絵が荒かったけど、今は緻密で芸術的なものがたくさん生まれ、ストーリーも素晴らしいもの、世界中に影響を与えるようなものがたくさん生まれました。現在では日本の経済を支える代表的な文化、まんがの発展は目を見張るものがあります。麻生太郎さんはゴルゴ30で勉強して政治をなさっているという噂もあるほどだし、まんがって素晴らしいですね。
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