第27話 口裂け女
今はマスクをつけるのが当たり前になっていますが、昭和54年、給食当番以外でマスクをつける人はほとんど見かけなかったし、つけていても、あのアべノマスクタイプの白い布マスクしかありませんでした。
そんな昭和54年春ごろ、「口裂け女」のうわさが世間を震撼させたのです。その噂の内容は以下の通り(みんな知ってますよね)。
マスクをつけた黒髪の女が
「私きれい?」
と聞くので、
「きれい」
と答えると
「これでもきれい?」
と言ってマスクを外すとその口は耳のあたりまで裂けていた。逃げようとしたり、きれいじゃないと言うと殺される。それが口裂け女……。
友達から聞いたのが最初だったか、あまり覚えていないのですが、雑誌で記事を読んだのは覚えています。どこやらの電車に乗っていたとかいう目撃証言や、対処法とか書かれていました。本当にまことしやかにリアルに広まっていたので、私は恐怖で外を歩くのもびくびくでした。
「チョコレートをあげるからついておいで」
と、知らないおじさんに言われても、絶対ついて行ってはいけないと言われて育った私。当時はまだ人さらいがリアルだった時代ですから(そう思っていたのは私だけ?)、それと同じレベルでリアルさを感じていたんです。
口裂け女はコートを着ているというので、コートを着ている人には要注意、走るのがものすごく速いから、逃げても捕まっちゃうと聞いて、足の遅い私はがっかり。ポマードが嫌いだから、ポマード、ポマード、ポマードと3回言えばいいとか、犬が嫌いだから、手に犬と書けばいいとか。その対処法、日本昔話の世界みたいです。
そもそも、アべノマスクは耳まで裂けた口を隠せません。そこがどうなっているのかしらと気になっていた私。百合子マスクのようなものを手作りしたのかしら? でも、深く考えずにスルーです。
私、昭和の頃は色々なことに矛盾を感じることがあったから、いちいち気にしないようにしていました。アニメのピアノを弾くシーンで、聞こえる音とは違うでたらめな指使いだったこともその一つ。柔道一直線の、足でピアノを弾くシーンも突っ込みません(笑)。ちなみにトムとジェリーで、トム君がピアノコンチェルトを弾くシーンは、きちんと正しい音階を弾いていましたが、猫にあんな長い指はないし、トム君は指が4本なのでピアノを弾くのはとても難しいと思いますけどね。
さて、これを書くにあたり、ネットで口裂け女をちょっと調べてみたのですが、どうやら岐阜県発祥らしいです。誰かが噂のもとを作ったのでしょうが、いったい誰なのでしょう? (それとも、本当に岐阜に現れたのでしょうか?)パトカーを出動させたり、集団登校させたりするほどの社会現象を起こすなんて、ご本人は思わなかったでしょうね。そして、口裂け女のうわさが地域によって特色があるのも驚きでした。なので、このエッセイを読んで、違うよと思われた方もいらっしゃると思います。ココはあえて多くを語りません。是非、応援メッセージに情報をお寄せくださいませ。それをみんなで楽しみましょう! よろしくお願いします。(←丸投げ)
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