第11話 謎の言葉

「エッチスケッチワンタッチ」


 子供たちの間で流行った謎の言葉。私の周りでも、最初はそう言っていたんです。それが、ある日突然


「エッチスケッチワンタッチ、ブラジャー脱いだら3センチ!」


 に変わっていました。「ブラジャー脱いだら3センチ」のところは、もしかすると、あの日が誕生の瞬間だったかもしれないと思っています。もしそうなら歴史的瞬間です。


 ググってみると、「エッチスケッチワンタッチ」の語源はグリコワンタッチカレーの宣伝の、「エッジスケッチワンタッチ」からだという説もあるのですがその証拠が見つからないようです。どなたか覚えている方はいらっしゃいませんか?


 それにしても3・4・5文字で何とも調子のいい言葉。ちゃんと韻を踏んでいて小気味よい響きです。


 エッチの語源を調べると、さかのぼること明治時代、いやらしいことを表す隠語として女学生がHentaiの頭文字をとってHと言っていたそうです。変態が語源だったとは。


「エッチする」と言い始めたのは、1980年代以降。明石家さんまさんか島田紳助さんが言い始めたとありましたが、私の記憶ではさんまさんだったような……。これは定かではないので、新語誕生の歴史的瞬間に立ち会ったかもしれない、ということで。


 歴史的瞬間を見たと言えば、「8時だヨ!全員集合」で初めて「最初はグー、ジャンケンポン」を見たことをうっすら覚えています。場面を覚えているのではなく、その言葉を初めて聞いて新鮮だったことを覚えているのです。なぜ「初めて」を見たと断言できるのかって? それは毎週欠かさず見ていたからです。昭和の子供はほとんどそうでしたよね? まれにNHKしか見せてもらえない家庭がありましたが。


「最初はグー、ジャンケンポン」の発案者は志村けんさんのようで、「最初はグー、またまたグー、いかりや長介頭はパー」というのもありましたね。今、そんなことテレビで言ったら炎上しそうです。やっぱり昭和はのどかな時代でした。


 最後に余談ですが、私のお友達(例の「私の城下町」のもうひとりの生徒役)が幼稚園の時、スケッチブックが欲しいとお母さんにおねだりしたところ、なぜかお母さんはリュックサックを買ってきたそうです。それほどカタカナの名前が浸透していない時代だったのですね。たぶん。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る