第9話 日ペンの美子ちゃん
昔、雑誌の裏表紙には「日ペンの美子ちゃん」の漫画がありました。雑誌に掲載された漫画を全部読み切った後に、
「あああ、読んじゃった、もうない~!」
と、悲しくなった心をほんの少し救ってくれた漫画です。いえ、本当は広告です。
「日ペンは50年の歴史を持ち、先生方は超一流、教材はバインダー式でとてもわかりやすいし当用漢字の筆順や手紙の書き方も教えてくれるのよ。一日15分程度の練習でペン字検定に合格できるの。一級合格者の一割が日ペンの出身者よ」
……って、聞いたことあるセリフでしょ? 毎回必ず美子ちゃんが言っていて、当時はバインダー式ってかっこいい、どんな感じかな? なんて思っていました。
「日ペンの美子ちゃん」は、色んな漫画雑誌の裏表紙にあったけど、「明星」や「平凡」は後ろから2~3ページのところにあって、裏表紙はアクセサリーの通販みたいな広告だったように思うのですが実際はどうだったでしょうか?
美子ちゃんは実は6代目までいるってご存じですか? 確かに美子ちゃんの顔が変わってる! と思ったことがありますが、6人もいたなんて驚きです。
最近、美子ちゃんを見かけないでしょう? 雑誌も紙ではなくなってきたこの時代。なんと、ツイッターに日ペンの美子ちゃんの公式アカウントがあるんですよ。私、フォローしているのですが、当時の雰囲気を受け継いだ漫画が連載されています。メッセージも添えられていて、これが結構面白いんです。もともと美子ちゃんのパロディ漫画を描いていた服部昇大先生に日ペンから白羽の矢が立ったとか。ご本人は連絡があった時、怒られるのかと思ったそうです。
現在の「日ペンの美子ちゃん」のセリフには
「日ペンは90年の歴史があって先生方も超一流」
だけしか入ってなくて、世相を反映したストーリー展開です。……って、アレ? 「90年」ですって~~~~?! 「50年」って言ってたのに。
あれから40年。あれ? おかしいなあ、私もこのエッセイの読者も、みんな26歳なんだけどなあ。
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