過去編:『あの日』の出来事②
『ちょっと、茜さん!今どういう状況か分かっていますか!』
『流石に私だって分かってるよ!えへへー、正人の寝顔めちゃくちゃ可愛い。』
『聞いてすらいないじゃないてすか!?』
『茜先輩!後輩である私に、膝枕する場所を変わってください!』
『……馬鹿どもが。状況が状況なのに。
ーーーまぁ、私もその場所に変わって欲しいが。』
(っ、…うるさい。)
正人は茜の膝枕から、うるさかったのか意識を戻し、にょきっと起き上がりながら周りをキョロキョロと見渡した。
「正人~、やっと起きた!」
「正人さん、急に意識を失ってビックリしましたよ。」
「先輩~、本当に心配しましたよ。」
「正人が無事で本当に良かった。」
三者三様、茜→志乃→彩香→詩音と、それぞれの心配した言葉を投げ放っていた。
「…ここは何処何だ?
ーーー壁が本物の石で出来ているなんて。日本ではコンクリートで出来ているのに、ここだけは石で出来ているのに。」
そこには、実際に薄暗い謎の空間に周りには本物の石で出来ている壁が広々と出来ていた。
しかし、その疑問を打ち解けるかのように正人の前にひとつの薄く青いプレートが目の前に出てきた。
『ようこそ、チュートリアルダンジョンへ。』
「……はぁ?」
(いやいや、待て。本当にどういう事だ!?)
「はぁ、正人さんにも現れましたか。」
「…え、じゃあ皆もか?」
4人の少女が正人の純粋な質問に、コクリと頷いた。
(いや、でもこれって…)
「多分正人さんの思ってる通り、ラノベやアニメにでてくる『ステータスプレート』(?)で間違いないと思いますよ。」
「…志乃、その心は?」
「これを見てください。」
と、志乃はスマホを取り出し今日の緊急ニュースを正人に見せた。
「ここのバカデカい岩の建物って何処にあると思いますか?」
「ん?ここ周辺は見覚えがあるような…ん!?いや、まさか!ここは今俺達がいる場所なのか!」
「そうです。さっき『ステータスプレート』(?)に書かれていた『チュートリアルダンジョン』というのが、日本で最初に発現したんですよ。
ーーーまぁ、結論から言いますとこの世界は、もう私達が知っている世界の常識じゃ無くなっています。」
(普通にヤバいな。…てかスマホ使えたんだな。)
しかし、この5人が完全に起きた10数秒後に、またステータスプレートから文字が変わり新たな文字が入れ替わった。
『今から基本的な知識を脳内に刷り込ませます。』
「「「「「~ッ!?」」」」」
「あっ、あ〜、ッ!?…ぐっ、頭が。
ーーー…っ、…そういう事か。」
(…『スキル』……『魔法』…『ステータス』。ラノベやアニメの『魔法』などの基本的な知識が脳内に刷り込まれたのか。)
『では、次は武器を選んでください。』
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補足:『ステータス』と『ステータスプレート』は地味に違います。
『ステータス』…自分の能力値の事を言う。
『ステータスプレート』…自分の目の前に発現する、薄く青いプレート。
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