新規冒険者の育成①
「初めまして、私の名前はCランク冒険者の柊悟と申します。では、予定で書いてあった通り午前は座学・午後から実践なので、これから座学で実践での動き方やダンジョンについて話していきたいと思います。」
その男…柊悟は、黒板を前にそれぞれ席に着いている人達…講習生達に向けて軽く自己紹介をしてから、これから行う『新規冒険者の育成』に取り組もうとしていた。
(しかし、学校でやるとは凄いもんだな。そこまでして冒険者を増やしていきたいのだろうか?…まぁ、でも俺を合わせて30人前後はいたとはな。もうこんなご時世だから皆は冒険者についていたと思っていたんだが。)
「皆さんにはまず基礎的な知識として、モンスターとは何でしょうか?」
と、柊悟は黒板に書きながら、正人達…講習生達に向けて質問を放った。
「はい!モンスターとはダンジョンから生まれる敵です!」
1人の赤色の短髪をしている少年が、元気な声で質問に答えた。
「まぁ、一般的に言えば正解ですね。しかし、もっと細かく言えばモンスターとは敵ではなく『未知の生物』です。疑問に思っている人が大半だから軽く例えますなら、
地上にいる動物は何処で産まれどういう生体をしているかが私達人間には分かります。しかし、モンスターはどうでしょうか?モンスターは未だ沢山の種類が発見されその中でも人類では敵わないかもしれない生物が発見されるかもしれませんからね。」
ここが重要とばかりに、色がついているチョークで少し大きく字を書いていた。
(へぇ〜、でも一理あるな。そもそもモンスターは『何なのか』がまだ俺たちは分かってすらいないからな。新たな種類の生物?地球外生命体?そんなバカな話しがあるか
ーーーこれは勝手な俺の推測だがモンスターは『では今から資料を配るので、それぞれ回していってください。』、~って、こんな馬鹿な事考えているうちに結構進んでいったな。)
と、正人の考えている時に講習生達は、柊悟の言葉を合図に次々と資料を配っていった。
「基本の知識を改めて知ったと思いますから資料の1ページ目を開けてください。
ーーーここに書いてある通りダンジョンには無数の罠や凶悪なモンスターが沢山いるでしょう。少なからず誰でもチュートリアルダンジョンをクリアしていると思いますが、あれはチュートリアルに過ぎないので今から楽して稼げるという思考を捨ててください。
…まぁ、突然言われてもピントこないでしょうがこれを見れば分かります。」
と、柊悟は自分の背中を見せた時には1つの大きい痕が付いている傷口がそこにはあった。
「私がチュートリアルダンジョンを攻略して調子に乗った結果がこれです。だから皆さんにはこうなって欲しくないように私が来ました。」
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