冒険者という職業

「ふぁ〜、あ。」

正人は真っ白の色をしたベットの上をゆっくりと起き上がり、目をゴシゴシしながら今日は何をするのか考えていた。


(久しぶりに安心して寝れたな。そもそも無限牢獄というかチュートリアルダンジョンでは、寝るという概念さえなかったからな

ーーーさて、今日は『冒険者』にならないとな。まぁ、お金がないとマジで気で飢え死にしちゃうかもしれないからな。)

そう思いながらズボンのポケットから1つの携帯を取り出した。


「おっ、ここから10分で行ける『冒険者ギルド』があるぞ!」

(ラッキーだな。早速行ってみようか。)



〜〜〜10分後〜〜〜

正人が『冒険者ギルド』に着いた所は、ごく普通の事務所みたいなものであった。


(案外文化とかは変わると思っていたが、そんなに変わらなかったな。まぁ、変わった所と言えば光が電気を使わずに、魔石(?)みたいなものを使っていたりしたからな。

ーーーそっちの方が効率よく出来るんだろうかな、普通に知らんけど。)


『ウィーン』

「いらっしゃいませ、冒険者様。今日は魔石の換金でいらっしゃいますか?」

そこには、ビシッとした制服をした女性がニッコリとした顔で出迎えてくれた。


「あぁ、いやすみません。今日は『冒険者』の職業になりたくてきました。」


「すみさん、そうでしたか。少々お待ちください、資料などを持って来ますから。」


「あ、はい。分かりました。」


(外と同じでちゃんとした内装になっているんだな。the事務所って感じだな。しかし、魔石の交換所っていうのがあるのか。まぁ、そこら辺も『冒険者』になるには教えてくれるからそこら辺は嬉しいな。)


「お客様、こちらが『冒険者』になるにあたって注意事項や登録書になります。」


「はい、ありがとうございます。……ん?注意事項ってこんなに少ないんですか?」

そこに書いてあったのは、10数個しかない注意事項であった。


「はい、『冒険者ギルド』というか、『冒険者』ではそこら辺は緩くなっておりますので。しかし、その注意事項さえ守って頂ければ幸いです。」


「へぇ〜、そうなんですか。」

その注意事項に書かれていたのは主に4つとなっていた。


1つ目、一般人には少しでも危害を出さない事。

2つ目、ダンジョンで命を落としても自己責任(ただし、遺族の方々には多少の金額は振り込まれる)。

3つ目、未発見のダンジョンにはギルドの許可を得て入る事。

4つ目、ダンジョン内での、冒険者同士の戦闘は禁止。※モンスターの擦り付けやモンスターの横取りなどは絶対にしない事。


(まぁ、他はこの4つに似た注意事項だな。)


「注意事項には、もう目を通しましたね?次はこちらの契約書です。ここに名前とサイン、住所は書きたいのであれば書いてください。」


受付の女性は、1つの『冒険者』になるための契約書を目の前に座っている正人に渡した。


「あの、1つ質問なんですが。住所を書かないと流石にまずいんじゃないですか?」


「安心してください。そこら辺はこの冒険者カードで補っていますので。これさえあれば、誰が誰なのかの細かい事がこちらで分かりますから。」


(すっごいな!もうそこまで日本の技術が進化していたのか。

ーーーおっと名前とサインを書くのを忘れていたな。)


「これで大丈夫ですか?」


「〜ッ!?…はい、大丈夫ですよ『秋山正人様』。」


その女性は正人から渡された契約書に書かれていた名前を見た瞬間、驚きの表情をしながらもすぐに平静をよ装い返事を返していた。







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