自分の部屋
正人がステータスにある『チュートリアルダンジョンの裏・無限牢獄』のクリア特典『無限牢獄の出入口』を押した瞬間、何故か見覚えのあるホコリだらけの部屋のリビングにいた。
「〜っ、ここは?うわ何だこのホコリだらけの部屋は!?」
(…でもまてよ、ここは見覚えがある。あそこの机やその隣にあるラノベが沢山入っている本棚って、
ーーーまさかここは俺の部屋なのか!)
「ははっ、これは携帯と同じくらい大きな誤算だぞ。これで家に帰る手間は省けたな。」
(さて、ここからどうするかだよな?…まぁ、こんな汚くなった部屋だから久しぶりに大掃除と行きますか!)
と、正人は意気込み微かな記憶から机にある雑巾を見つけ、洗面所で水をつけようとしたがあることに気づいた。
(あれ、ここの家賃10年間は払ってないから水も電気も出ないんじゃないか?
ーーー『カチャッ』まぁ、予想通り水も電気も通ってないな。今は朝でいいが夜になったらどうしようか?…俺そんなに金持ってないぞ?)
そう思いながら正人は片手で雑巾を持ち、もう片方の手で何かを行おうとしていた。
「水の球体よ、いでよーーー『
正人が水属性初級魔法を唱えると、1つの水の球が正人手の上からいきなり現れた。
(結構魔力を喰うな。やっぱ、ステータスが初期値には戻ったのはちょっと厳しいな。この前までだったら上級魔法をいとも簡単につかえたんだがな。
……しかし、チュートリアルダンジョンは普通に凄いな。魔法の詠唱を脳内に刷り込まれた時はどうかと思っていたが。
ーーー多分だかチュートリアルダンジョンを攻略した人が魔法を使っていると思うな。)
そう思いながら、正人は雑巾を水の球の中で濡らし洗面所で雑巾をギュギュッと絞った。
「さてさて、この汚い部屋を掃除しようか。」
〜〜〜1時30分後〜〜〜
「ハァハァ、つ、疲れた。」
『バタンっ』と、
正人は少し汗をかき、キレイになった床に寝転んでいた。
(時間は結構掛かったが部屋はキレイになったな。さて現実逃避はこれくらいにして
……どうなっているんだ?いくら何でもおかしいぞ。百歩譲って部屋は汚いままは分かる。しかし、何で部屋があるんだ?普通は家賃が10年位払われなければ強制的に、追い払われるはずだが。…まさか『あの4人』が?いや、そんなはずないよな。『あの4人』は俺が今生きている事さえ分からないはずだ。)
「あー、やめだやめ。正真正銘俺の部屋なんだからそれで十分だな。」
(まぁ、もし『あの4人』が突っかかってきたら、国外逃亡なんかも視野に入れないとな。)
正人は真剣な表情で考えていると、『ガチャっ』とベランダの扉を開けた。
そこにそびえたっていたのは、沢山の家や沢山のビルが光を発しながら並んでいた。
「やっと帰ってきたんだと実感するな。さて、頑張るとするか。」
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