第13話 92点合格です。ギリギリなので、明日の本番は油断しないように
2回目の終了検定模擬試験は50問、前回と同じ問題数だが、難易度が下がったように思えた。
1回目は64点の惨敗。1回目の修モは交差点から「前後」30メートル、路線「バス」は通行して良い、といった回答者を欺き陥れる悪意の問題が大半であった。
2回目は、素直に答えられる設問や、飲酒を勧めてはならないといった教本にはない常識問題、つまり点数が安定して取れるサービス問題が2割くらい含まれていた。
北沢「終わった方は、前に提出してください。採点して90点以上であれば退室して1階で申請手続きを行ってください」
我の|千里眼(クレアヴォヤンス)の能力を使えば、教壇の机にある回答を見て100点を取ることは可能だ。だが、それでは不正であり、掟(ルール)を破ることになる。
神に使え、人を裁く執行者が不正をしてはならない。掟は絶対なのだ。チキュウニホンにはことわざがある。「郷に入っては郷に従え」だ。
この織江と言う器の脳で勉強して鍛え、それで90点を取るしかあるまい。
今日まで学んだ学科を思い出し、回答する。大きく正に〇を付けないと採点されないので、気をつけた。10分で50問を解き終わり、5分でもういちど確認した。
「できたぞ」
北沢「はい。採点しますね、座ってお待ちください」
透明シートに黒で塗りつぶされた枠があり、それを解答用紙の上にかぶせることで正誤を判断しているようだ。間違ったであろう部分にマークを付けていく。
北沢「92点合格です。ギリギリなので、明日の本番は油断しないようにしてください」
「明日も一発合格してやろう」
間違った箇所を確認し、納得する。その後、教室を出て1階の窓口で手続きを行い、無料のお茶を飲んでいた。
沢畠が、40分経過しても戻ってこない。
しばらくして、うつ向いた状態で階段を下りてきた。教官が付き添っている。
「おい、沢畠どうした…」
沢畠はこちらを一瞬見ると、そのまま教官を追いかけるように2階にあがっていった。
合宿免許卒業まで、あと11日
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