第6話 二年前までは中国のヒトが結構いマシたが、今は減りました

 山口「教習手帳、あずかりマス」


 前と同じように、初心者マークを付け、手袋をつけて乗車する。

 一通りの説明を受けたあと、同じように操縦する。こんな鉄の塊をつかうより、天使の羽を使って飛べば良いのに、と考える事がある。



 山口「では助手席に座ってクダさい」


「海外に住んでいた経験があるのか? コトバに違和感がある」


 山口「中国の黒龍江省のハルビンで生活していました。」


「ほう。日本で免許取りに、中国人がやて来たりするのか?」


 山口「二年前までは中国のヒトが結構いマシたが、今は減りました」


「我も中国大陸で執務をしたことがある。ずいぶん(2000年)前の話だが」


 山口「そこ、ペタル踏んでブレーキ。停止線はないケド、右の教習者が並んでいる所が見えないから、一旦止まると良いネ」


「なるほど」


 山口「はい、お疲れさま。」


「中国の名前、何と言う?」


 「ジョーです」


「漢字で書くと?」


 山口「ん-、日本の漢字でナイですね」


「そうか」




 その後、退屈な学科と食事の繰り返しで2日目を終えた。早く天界に戻りたい。打開策を考えながら、眠りについた。


 合宿免許卒業まで、あと13日

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