第7話 こちらが優先道路であっても、検定車は譲ってあげましょう
3日目。人間の生活サイクルに慣れ、入校式にいた2人とは喫煙所で話をする常連になった。我はこの器の敗を害するため、吸うことはしない。
中川「すはぁ~。俺、来年4月にキックボクシングで試合あるんっすよ」
沢畠「へぇ。すごいですね。どこで試合やるのですか?」
夕方以降になると学生が増え、向かいの教習者を譲ることが増えた。
石塚「織江さん、一旦8番手前で停止してください」
「ん? こちらは外周で向こうは内周だ。掟(ルール)には、こちらが優先と記載されていたはずだ」
石塚「こちらが優先道路であっても、検定車は譲ってあげましょう」
「なぜだ!? 教本にはそのようなことは書かれていない!」
石塚「教習車が多い時間帯は、行き来が増えて検定車が動けなくなることがあります」
石塚「なので、検定車が来たときは譲る場合があります。その時は指示しますので」
「天界では、掟と契約は絶対。このような例外を我は認めぬ…認めぬぞ…」
石塚「えっと、織江さん。大丈夫ですか? カーブ後に7番を右折してください」
石塚「お疲れさまでした、教習手帳をお返しします。次は狭路の通行になります」
「認めぬ…認めぬぞ…」
合宿免許卒業まで、あと12日
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