こちらの世界から異世界に召喚された勇者の旅も、終盤に近付いている。仲間と共に焚火を囲んで、彼は早く帰りたい理由を語る。 魔物と戦ったり、人を助けたりしている瞬間ではない、フラットな勇者の姿を描いたファンタジー。こちらの世界では普通の人だった勇者の、等身大の姿が胸に来ます。 当たり前ですが、よっぽど正義感を持っていないと、世界の命運には立ち向かえないのだと感じます。夢も希望も失った状態で、彼が拠り所にしているものに共感を得ました。