第4話 復讐を誓う
その凄まじい声を聞いて、自分の置かれた危機的状況にハッとする。
「に、逃げないと!」
そうだ、今は座り込んでいる場合じゃない。魔物が押し寄せてくる前に洞窟を出ないと。そう結論した僕は頑張って立ち上がると、ケガした左足を懸命に引きずって出口を目指した。
一歩進むごとに太ももに激痛が
「くそっ、くそっ! どうして僕がこんな目にあわなきゃいけないんだ!? 僕が何したっていうんだよ!? 僕はただ、精一杯生きているだけじゃないか! 幼い頃に両親を
感情が
グォォォォォォ!!!
ひとしきり言い終えて間もなくのことだった。
ドシンドシンという大きな足音が猛烈な勢いで僕に
「っっっ~~~!!!」
かつて味わったことのない痛みに、僕の口から声にならない声が
ほどなくして、視界の端に巨大な影が映った。激痛に顔をゆがめながら見上げてみると、そこにいたのは熊のような魔物だった。どうやら僕は、こいつに攻撃されたらしい。
そいつは
どうやらその笑顔のわけは、エサにありつけることが嬉しいというだけではないようだ。無様に地を這う僕を見下し、
この野郎! お前まで僕をバカにするのかよ!?
さらに怒りが増し、それはついに痛みを上回った。激痛と失血により途切れそうになっていた意識が
パッと見ただけだが奥行きはありそうだ。ひとまずここへ飛び込めば目の前の
チラッと頭上の魔物へ視線を移す。そいつはニヤニヤとしているだけで襲いかかってくる気配がない。僕が反撃しないのをいいことに油断しているのだろう。その隙をついて僕は、あらん限りの力を左腕と右足に込めて穴の中へ体を
「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
途端に、僕の体は勢いよく滑り出した。穴の中は
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