④sAI-say/すこやか大聖堂
タイトル:sAI-say
作詞作曲:すこやか大聖堂
ボーカル:KAITO(VOCALOID)
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38238832
https://www.youtube.com/watch?v=iFs2jSB4GOY
プロセカといえば、大本のボカロよろしくユーザー生成コンテンツ(n次創作)を大々的に募集している特色があります。中でも「#プロセカNEXT」というタグで楽曲を公募しており、年5曲のペースで追加されています。
そしてこのたび、氏の別楽曲が採用となりました!
……ならそちらの楽曲を紹介すればいいところではありますが、個人的にKAITO15周年を祝うこの一曲が刺さったので。
内容としては、KAITOの初期名曲『恋するアプリ』を彷彿とさせる、ストレートなKAITOイメージソングです。類型であれば、GoogleのCMソングに起用された『Tell Your World』、米津玄師もといハチ作曲の『砂の惑星』などが挙げられるでしょうか。
しかし界隈の変遷や取り巻く文化をテーマに据えた上記2曲に対し、こちらの曲は「君と僕」ならぬ「クリエイターとKAITO」という、極めて小規模な世界観となっているのが特徴です。無論、初音ミク他にもそういった一対一の関係性を歌った楽曲は数知れませんが、ことKAITOに至っては意味合いの重みが異なります。
知っている人も最早少なくなりましたが、日本語VOCALOID第一号として発売されたMEIKO、そして言わずと知れた金字塔である初音ミクに挟まれたKAITOは、ニコニコ動画の市場で鼻毛カッターとどんぐりの背比べをするほど、売り上げに悩まされていました。一時は開発サイドから失敗作の烙印を押されたことも……。
プロセカでピックアップされればトレンド入りすることも珍しくなくなった今からは想像もできませんが、当初はパッケージに隠れ、靴のデザインすら分からなかったほどです(今年のライブの特集コーナー開始の映像で、靴から描かれた時にその頃を思い出して涙が出ました)。
なので、ある意味で初音ミク以上に「歌わせてもらえる」現状は、KAITOの背景からとても感慨深いものになるのです。曲名の『sAI-say』も、楽曲の「再生」だけでなく、失敗作からみんなに愛される兄さんとして再起・再誕した、リビルドの方の「再生」も意味しているのかもしれません。
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