前のエピソード――②玉座／imie

タイトル：トンデモワンダーズ

作詞作曲：sasakure.UK

一部演奏：岸田勇気

イラスト：APO+

動画制作：同上

ボーカル：初音ミク＋KAITO（VOCALOID）、エコ、ピリオ

https://www.nicovideo.jp/watch/sm38907008

https://www.youtube.com/watch?v=dBQg24mx45Y

　泣いた。

　元々10年以上好きなボカロＰでしたが、ここに来て再度刺さる楽曲を繰り出してくるとは……！

　こちらは『玉座』でも名称を出した「プロジェクトセカイカラフルステージ！ feat. 初音ミク（通称プロセカ）」提供曲です。

　プロセカはオリジナルキャラクターを大きく打ち出した作品性に、当初は難色を示すファンも多くいましたが、既存のボカロファン以外の層を取り込むことにも成功。現在ではスマートフォンリズムゲームの人気作として好評を博しています。

　印象だけで言えば、「人間歌唱を前提とした楽曲では、作曲者の持つ特性が薄まってしまうのでは……？」と思われてしまうでしょうが、制作サイドのインタビューでは「あまり細かな注文をしていない」とも述べられており、その言葉に相違なく、ゲーム内のイベントページではループ版のインストが流れますが、「あ、〇〇さんの音だ！」となることもしばしば。それは『トンデモワンダーズ』でもしっかり感じられました。

　氏の既存曲で言えば、『トゥイーボックスの人形劇場』のハッピーエンド版とも呼ぶべきアッパーチューンです。作り変えられようとしている遊園地に一念発起、一発逆転のショーを成功させようとするイベントシナリオを踏まえた歌詞となっています。しかし独特の言葉遊びや、おもちゃ箱をひっくり返したような変拍子は氏固有のもの。

　悲しい終わりを予感させるMVがラスサビでどんでん返しハッピーエンドするのは、ちょっと涙腺にきます。嘘です普通に泣きました。

　好きなボカロＰであるのを加味しても、これだけ心動かされた楽曲を選ばないわけにはいきません。

　人生のエンドロールに流してほしい……ハッピーエンドになるから……。