②玉座/imie


タイトル:玉座

作詞作曲:imie

イラスト:トミズ

動画制作:同上

ボーカル:初音ミク+imie

https://www.nicovideo.jp/watch/sm39473650



 氏は2018年のデビュー時から追いかけていますが、まさかこんな引き出しがまだあったとは!

 有機的なポップスに定評のある実力派だと思っていましたが、新機軸を打ち出して尚もブレない特色には脱帽するばかりです。


 ボカロとの歌唱は別楽曲でも述べますが、今年話題となったスマートフォンゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」然り、様々な形の前例はあります。『ロキ』は物珍しさの垣根を飛び越えてヒットしたのは記憶に新しいです。

 しかしこちらの楽曲は、ボーカルこそご存じ初音ミクであるものの、絡み合うように氏のボーカルも束ねられています。デュエットではなくタッグ。そしていつもの雰囲気はそのままに、挑発的なアップテンポのダンスミュージックに劇的変化。度肝を抜かれました。


 曲名やAメロの押韻から彷彿とさせるのは、スピード出世で時代の寵児となったKanariaの『KING』か。

 そしてCメロが語る13歳19歳がターニングポイントとなった人物は、最早知らぬ人の方が珍しい米津玄師がモデルか。

 若き才能と君臨する強者が火花を散らす歌詞は、まさしく参戦したボカコレを体現するに相応しいでしょう。

(間奏のシンセソロもなにかのオマージュかと思いますが、思い至らず……)


 ボカコレが楽曲投稿の活性化の一助となったのは疑いようがないですが、そうなり得たのは、耕し、木を植える人……『玉座』を虎視眈々と狙う野心家が絶えずいたからに他なりません。それは有志によって開催された「ネタ曲投稿祭」も盛況のうちに終わったのが、なによりの証左でしょう。


 はたして来年『玉座』に座るのは誰になるのでしょう……。

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