第51話 言葉が同じで文字が違う異世界

「そこでは当然、文字もまた相変わらずなんだけど、言葉は通じるけども」


「文字が英語ともカタカナとも違うまた謎の言葉で」


「確かに教えているといって、子どもたちも何か読み書きしているし」


「よくある数学とか算数的な、と言ってもわりと実践的タイプなので」


「商売とかで必要な知識とかを学んでますよ、と」


「まあ当然参加してもいい」


「どうしましょうか?」


『それいいんじゃないですか、わからない字はそこで教われば』


『今英語を知らないように、ゼロからその新しい言葉』


『それを書いて勉強して、それが学校だから』


「なるほど、普通に参加するの?」


『うん、参加する』


「数学とかバリバリ簡単じゃない?」


『そうね、簡単だと思う』


「多分、足し引きかけわりくらいのレベルで」


『そりゃそうだね』


「それは数値とかは確かに文字は違うよ」


 無職転生のような、文字も言葉も全く違う異世界が現実的なであるが、やはり難易度が高すぎる。

 文字の表記だけ外国語で、話し言葉や言語構造は全く同じという、割と近い異世界設定ルールで進めることにした。



「0から9は違うから」


『そこから勉強だからね』


「ただやってる内容自体はもう……」


『簡単なのだね』


『まあ一応、小学校だよね、簡単だよね』


『小学校4年、簡単だよね』


「言葉は難しいよ」


『言葉はわからない、読めない』


「話はできるから、まあ今だったら日本語に近いような感覚で置き換えかな」


『うん、うん』


「喋りは同じだから、文法も同じだから」


『じゃあなんとかなるよね』


「じゃあそれで10歳だけど、頑張って覚える?」


『うん、覚える』


『ねえ、みんなそうでしょう』


 どうかな? 魔法の異世界に転生したら、まず魔法とステータスオープンとチートで無双すると思うけど。



『わからないことを、そこで習う』


「なるほど」


『そうするともっと楽しくなるからね、やることが』


 祖母を見ているのか、10歳少女を見ているのか分からなくなってきた。

 純粋な心、欲する学び、堅実に生きようとする彼女の意思そのものだ。

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