第48話 学校と魔法
『誰か下に降りて、何か誰かいるって言ったよね?』
「食事作ってる人もいれば、当然雑用やっている人もいる」
『学校はどっちですか? って聞いて』
「学校ですか?」
『魔術学校はありますけれども』
「お嬢様はそこまで行く必要はないのかな、と思いますね」
「そんな低レベルな学校に行く必要はないじゃないですか?って言われちゃう」
『低レベルときた日には』
『でも10歳だし何も知らないからね』
『レベルは低くても、それなりの習い事をするね』
『うーん、魔法はダメだけど』
いや、魔法はダメじゃない。相当のチートスキルを持っている、だから使って自覚してほしい。
「使わないの!? 試さないの!?」
『試さない。だって信じられないから』
『魔法たるもの、信じられない。魔法が』
「魔法が云々とか聞いたりしない?」
『うん、しない』
「ヒハハハハ!」
これは長丁場になりそうだ。チート魔法なしだと、ゲームクリアは相当難しくなる。
今日のTRPGゲームクリアはもうあきらめた。一泊二日で無事帰れるかの難易度となる。
『だって、信じられないもの』
『魔法っていうものは作られた、頭の中で作られたもので』
『現実にはどうこうできるもんじゃないから、現実を生きるためには』
『あなたおかしい言うなって、子どものくせにしてって思うわけよ』
現実で魔法ごっこをまじめにやる子は、そう言われてしまうかもしれない。
しかし小学校高学年から中学校卒業にかけて、いわゆる中二病がオート発動してしまうのは誰でも経験があるだろう。
魔法とか超能力とか、自分だけが持っている特殊スキルを夜な夜な考えたものだ。
『とにかく普通に、勉強したい』
「勉強?」
『魔法とか立派なこと言われても信じられない』
「ただそのその執事というか従業員は場所は教えてくれなかったの」
「ただ言っても意味ないよねって言うのでまあ別に止めはしないけど」
「まあ要は、さとす感じで」
「お嬢様、そんな低いところに行っても何もないですよ」
護衛の片方のイケメンマッチョが令嬢に提案する。
実際はシナリオにはない見えざる
『それを信じない、私をとにかく行ってみます』
『自分の目で確かめて、知らなかったら次の日から違うことを考えればよい』
実際に行って目で確かめてから次を探す。コレが祖母の行動原理の根本なのか。
「今、朝一階で話して」
「どうしましょう? 門から出る?」
『門から出る』
『何か出て、学校の位置を教えてもらって』
『何か勉強したい、勉強したいって』
「じゃあ門番の人に、何と言います?」
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