第47話 学校へ行こう
「外の世界は、日本と完全に同期とれているわけじゃないから」
「外に出て調べればわかる。外に出てないから」
「まあ何か、執事と旦那さんと奥さんぐらいしか接点が……」
「またちょっとした雑用の人たちも素通りはするけど、別に会釈するくらいで」
「少し着替えました、夜です」
「どうしましょうか?」
『寝ますね、もう』
やはり即答。夜に勉強とか、外出て見たりとか、探索とか一切やらない。
「ふかふかのベッドはあるからね、まあそこで……」
『よかったです』
「じゃあ寝ました、と起きたらここの世界じゃなくて」
「ベッドの上でした、朝」
起きたら令嬢はタダの夢で、現実の86歳に戻りましたっていう夢落ちはないようにした。
『何するかだよね』
『学校へ行く必要があるのかないのか、それすらわからない』
『それだったら学校行こうと思うよね』
「まあ思ったら行動してもいいし、聞くなりなんなり」
「出てもいいし」
『出ていって、学校を聞くね』
「朝の朝食を配るはずだけど」
「ぱっと目覚めちゃったと」
『めざめちゃったら、まあご飯来るのを待って』
「じゃあ待つ?」
『待つ』
きっちり朝の食事はとるようだ。
「じゃあ待ちました」
「朝にコンコンって」
「お嬢様朝の朝食です」
『もう慣れて、昨日がわかってるから』
『ありがとう、って貰う』
「開ける?」
『うん、開ける』
「じゃあ開けて、まあ普通にテーブルまで持っていって、置いて」
「で、静かに去っていくね」
「で食べるね」
「さあどうする? 食べ終わったら」
『食べ終わったらね、何もしないのは嫌だから』
『まず学校に行こうとするね』
部屋に引きこもらず、外に出ようとしてくれた! ようやくストーリーが進む。内心ワクワクしている。
14時から始まったTRPGは、もう18時を回っている。
「ちなみに食器はどうする?」
『食器はまた出しとく』
『でもそれはもう食べ終えたらすぐ出して』
『それから学校へ行こうとするね、その年齢だと』
「廊下に、食べ終えたの置きましたと」
『それで部屋出ます』
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