第43話 たべのこし

「じゃあ食事を始めようか、っていうので奥さんらしき人、女性と」


「男性はね、若い青年実業家みたいな方が食事を始めました」


「昼よりももっと豪勢な食事が並んでいました」


『夜だけだもんね、食べるの』


『食堂で食べる、と』


 洋館で執事に食事で呼ばれたのに食堂……まあ間違ってはいないか。




『朝と昼は執事が持ってきて、夜だけ』


『その人が誘導してくれたからそこで一緒に食べたでしょ』


「その場合は食事が並んでいるけど、どうするの?」


『何が並んでるかによる』


「まあ肉とか野菜とかだよね」


『いいんじゃない』


「飲み物もあるし」


『結構でございます。頂きます、好きなものを』


「まあ量的には、結構量があって食べきれませんでした」


「まあ小食というか、10才だからね」


「ちょっと残しそうだったらどうする?」


 食べきれない場合は、どう対応するのか?




『まず取らない。自分が食べたいだけ取る』


『食べれるだけ、それ以上のことはとらない』


 豪華な食事が並んでいるのに、ちゃんと必要な分だけ取り分ける。

 貴族生まれだから好き放題食べると思ったが、ちゃんと取り分ける10歳令嬢。




『だから残さない。自分が皿に盛る』


『でその夫婦らしき人と一緒に食べるけど』


『それ私、ナイフとフォークで行って切ります』


『食べたいものを取る』


「律儀だねー、まぁ」


『普通だと思うけど』




「じゃあここでなかなか難しい質問しようかな」


「奥さんの方から、食事のほうがほぼ終わってね、落ち着いた後に」


「食事にしながら適当な話はしているのよ」


「ここでちょっと奥さんがね」


「ミランダは、今の魔法の修行はどうなっているの?」


『私、ミランダ?』


 さあ、あなたはミランダだけど、どう答える?

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