第42話 謎の夫婦

「一応門出れば外には道路もあるし」


『そこまでは行く必要ない、まだまず庭を見たから』


『こんな広いいいとこがあるんだねって、執事はこれからご飯ですよって言うのだったら』


『家に戻ります。で、待ちます』


「基本、朝昼晩食事もあるし」


『そう食事あるし』


『ね、部屋も良いし』


 これだけ快適環境だと、マジで何もしないまま過ごしてタイムアップしそうだ。

 ここで閃く。餌でホイホイついてくなら、10歳魔法令嬢の両親と一緒に食事をすればよい、これは良いアイデアだ。



「じゃあ食事の時には……またノック、コンコン」


「お嬢さま、お食事です」


『開けるわ。当然』


「夕食は旦那様たちと一緒に食事ですよ。1階のほうになります」


『一階の方に降りろって言うの? そういう決まりなのですか?』


『なら誘います。降りる』


「執事もね、そこまで行くので」


『もうね顔も何回か見てるし、会話もしてるから』


『じゃあ食堂まで降りるなら、降ります。ありがとうございます』


「そうそこでは……そうだな。30くらいが夫婦かな」


「30ぐらいの夫婦がそこそこでかいテーブルで、食事が並べている状態で座って待っている」


「そもそもテーブルはこれくらいだけど」


「10歳はこれくらい、視点が」


「だからまあ、机の上は見えなくなっちゃって」


 大人ならば、大きなテーブルに座って上から視点で食事ができるが、10歳少女となると身長は低い。

 低いなら、並べられた料理だってほとんど見えない状態だ。


「食事だからこちらに座りなさい、って席に誘導されました」


「旦那さんみたいな人にね」


『その2人は知ってるから、そこに誘導してくれるんだから』



『そこ素直に来て座ります』


 いよいよ、自分が作り上げた謎の両親NPCと対話が始まる。

 両親とは言っているが、少女の両親であるかどうかは話していない。

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