第38話 遊戯変更者(ゲームチェンジャー)

『まあどこかの国では聞いたことあるけど』


『私はどこかで葉っぱを拾ってきて』


『ヒモだったらヒモでなんとかしなきゃしょうがない』


『あそうだ、葉っぱがあったら葉っぱで』


『毒じゃない葉っぱだったらそれでちょっと拭くけど』


『小の場合、拭く必要……我慢するから』


「あ、足したの大だから」


 はやりここは、対応を聞くために大きく出る必要があった。



『大なの?』


『大でヒモだけ……でもそれで下着が汚れる』


「下着とかは結構ね、今回は丁寧だね」


「10歳、ちゃんとした礼装じゃないけど」


「豪華だよね、装飾品もあるし」


『それなのにトイレがそんなのしかないっつったら』


『滅茶苦茶変な、設定だね』


 グサリ! でも中世ヨーロッパって調べてみると葉っぱはあれども、そこまで充実してなかったはずだ……と思う。

 これはまずい。



「まあ確かにね」


「そこまで超超豪華じゃなくて」


「当時の洋風のところって垂れ流しなのでね」


「水洗なんてないし、落とすやつだし」


『柿の木があって、その葉っぱを自分で開いて』


『きれいにして、紙の代わりに葉っぱを使ってたことはあるけど』


「そこに木がないとなったら、滅茶苦茶困る」


 魔法が使えるのだし、水よ《ウォーター》! みたいに言えば出るかもしれない。

 物質ではなく、魔法的に水洗を解決するやり方だ。


「そうだよね、庭には木とかがあるからね」


「じゃあわかった。そこルール変更するわ」


「縄は和風すぎるから」


『縄はちょっとね、使い捨てになっちゃうからね』


「そうだね」


「葉っぱ。葉っぱとかそういうボロ切れ、使い古した」


「ポイと捨てられるような、要は拭えるようなものがどこかに置いてありましたと、事前に」


 GMは負けを認め、世界を少し戻して配置を増やす。

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