第37話 探索

「なるほど、ドアがね、手洗いっていうマークもなければ」


「ドアとかちょっとした広場とかあるけど、トイレのマークは、ない」


『でも何か人が住んでいる様子じゃない?』


「部屋を開けると、ドアはいっぱある。でも今の所、無人、無人、ない」


『ない? じゃあ階段があった方に降りる』


『トイレを探す、まず』


「一回ね、こう階段ですごい木のね、木彫りのね」


『何でも良いから』


『この階にないとすれば、他の階で探す』


『どこかにありそうなもんじゃん』


「そうだね」


「2階のフロアで、またまた廊下が広がっていて」


「いくつか部屋あったけど、ちょっとね」


「ちょっと入れそうな、トイレっぽそうな空間がありました」


『あの、ノックして返事がなかったらあけて』


「男であろうと、あのタトゥー男はダメだけど」


 日本の感覚でいうタトゥーは893とか反社会的勢力でイメージできるが、中世ヨーロッパ風だと割と悪役にタトゥーのような模様はアリだと思った。



『普通の男女で分けてないだけだったら、そこで用を足す』


「そこはイメージとしてはボットン便所の2階バージョンかな」


「つまりちょっとこの何か、トイレしそうなような」


「座るのがあって、その穴の下は要は外の庭のね」


 シンプルに落とすだけ。高く作られたお城も、上から水洗などはなく、落とす! もしくは尿瓶しびんで貯めておいて雑用が外に放り投げるのだ。

 実際に西欧では、いつもどおり汚物を捨てたら王様に当たったけど、何とか許されたという話がある。



「庭の所にそのまま落とす感じでね」


『平気』


「平気?」


『うん』


「座っている板があるけど、そこは別に汚くない」


「ただ穴が空いてるだけで下が何もない」


『します』


「じゃあそこで、トイレしました」


「まあ普通にやります。ああスッキリ」


「紙がね、貴重だからね」


「ヒモらしきものが」

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