第29話 他の人だったら

「ワクワクするね。今だと年でどうしても行動制限があるから」


「無茶できない。でも若い頃だったら無茶できるっていうか」


『なんでも我慢できる』


「鞭打ちながらね、やりやすい」


『なんでも我慢できる』


「鞭打ちながらね、ひたすら切り続けることできるから」


『すごい難しい選択だったよね』


「最初からこうですよ、こうですよじゃない、野ざらしの状態から始まる」


『そうなんだよね』


「何も助けてくれない」


「なーんにも助けてくれない。自分で何とかしろっていう」


『むずかしい世界よね』


「自由なのよ」


「自由な中からどうやって生き残るかみたいなサバイバル近い」


「無人島生活に近いポジションになってくると違う」


『これ答えるのは難しい』


「難しい難しい」


「そこで自分なりに得意なこと」


『現実出しちゃいけないんだから』


『そこでいかによく我慢したなと思うよ』


「人によっては、いや実は前こういう世界があって、こうこうこうなんだよとかって言う人もいるから」


『へえー』


「いると思うよ」


「黙ってもその世界はその世界だから日本ですとか神奈川ですって言っても通じなくても」


「何かをうまく説得して、いや日本はこういうのあったんだよってことが、わからんけど」


「電車走ってんだよとかそういうので、うまくこう、何て言うのかな」


「ちょっと別の人として扱ってもらったりみたいな人もいるから」


 よくある、現代の教養レベルの知識が昔の大天才レベルで無双できちゃうやつ。

 だが今回は神さまからチートスキルはないし、スマホは持っていけないし、ペニシリンの知識もない。



「現代の知識があるから」


「もともとある知識でうまくお金を稼いで、億万長者になってみたりとか」


「頑張ってお金で戻れる装置を作ってみるとか」


「いろんな選択肢がある」


『やっぱりね』


「ばあちゃんがそこで幸せ見つけるって選択肢を選んだから」


『私はそういう生活は、した中での判断だから』


『そんなに立派なことはできないわよね。できなかったわけよ』


『考えが及ばないね』


「是が非でも戻りたい、絶対戻る」


「こんなド田舎みたいなところにいたくねえって」


『ああ私そこで満足しちゃったから』


「私はそこでもいいやみたいな。戻らなくていいやって」


「そういう生き方あるかみたいな、それはアリだよなと思って」


『年よりの苦労をした人間が出てきたんだね。もうこれ以上いいですっていうような』

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