第28話 若さ

「なるほどねー、でもすごい現実的だね」


「今のこの流れ見ても、超堅実ね」


「生まれ変わっても、また結婚したいって言ってなかったっけ? と思って」


「また会ったらまた結婚したいってこと、言ってたのになんで?」


『それはあの、この世界に入っちゃったから、こっちをひきずってたらね』


『生まれ変わってももう一回やりますっていうけど、この世界、別じゃん』


 またこの地球に戻って生まれ変わったとしても、夫の誠さんとまた結婚して暮らしたいと前に言っていた。それだけでも、何だか胸が熱くなる。


 しかし、異世界転生したときの彼女の対応は、実にドライであった。

 実際問題、祖母にはタイミングと心体の相性が重要なのだと思う。



『目覚めた時はとんでもないとこで、とんでもない世界に入り込んじゃったから』


『そこで一生懸命生きていこうってしかなったんだよね』


『これ忘れてたよね。似た人が通っても』



「今日はこれで一応終わりなんだけど。ただね、色々聞けてよかった」


「うわぁ、何か堅実だなって感じ」


『育ちがそうだから』


「なおかつ二股しないとかちゃんと自分なりのルールがちゃんと決まってるっていう印象」


「よかった。最後に感想あれば、今回の話」


『結構面白い世界にちょっと入れた』


『現実に戻ったけど、握手だけで終わったから』


『現実に戻ったけど、面白い想像させてもらった』


『どうするんだ、どうにもなんないじゃんを、どうにかしなきゃいけないっていう』


『そこも頑張れたのは、美容師の資格持ってたっていうのが頭に』


『私資格、一応を持っているから。あれ消えないからね』


『でも腕ではない。腕はないけど資格はあるけどね』


『それがちょっと頭に引っかかっただけで違ったんだと思う。それがなかったらもっと違う答えが出てた』


『まあ地道にいったと思う』


「正直戻りたいのかなと思いきや途中で幸せをつかんじゃったから、もうそれでみたいな」


「そこが切り替えがね」


『あれが良かったね、面白かったね』


『そこからまた、延々と旅するかと思ったら、しないのだから』


「そう戻ってきたからね。もちろんその人の握手をしなければ基本戻ることなく」


「ずっと寿命になるまで幸せに暮らしましたとさ、で終わるかもしれない」


『そうかもしれないね、よかったよかった。めでたしめでたし』


「そっちで幸せになれたからね」


『それでもよかったかもしれない』

 

『戻ってみたら、面白い世界を今、歩かせてくれたなと思った』

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