第12話 お泊り

「あと美味しそうな料理とかもしくは売れるもの」


「料亭とかに出せそうなものとかあれば」


『そんな腕はないし、教わってないし』


『料理…でも食堂へ行ったことないから』


「あとは自炊でなんか美味しそうな手料理とか」


『煮物? その味で出したんじゃない。塩があれば』


 日本の調味料無双はできなさそうだ。


「それでちょっと食事を振る舞いそうで」


「昔ながらの野菜とかを吊るして乾かしたのはある」


「吊るして吊るして、ああいうのはあるよね」


「なんかこう、だいぶ長持ちするし、魚の干物とか」


『いろりとかあったじゃない』


「ある」


 囲炉裏(いろり)の説明描写入れてなかった! というか頭の中にはなかった!


『鍋をぶら下げて、煮物』


『何かの野菜の甘みがあったのだろうね』


「じゃあそれで食事もね」


『そこをちょっとお世話になる。連れて出てもらうまで』


「そうだね、数日間までは手料理を」


「牛の世話とか、さっきの力仕事も若いからできましたと」


「じゃあそれで3日間やりました」


 5日目の朝、ついに王都に向かう。

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