第11話 醤油とみそ

『醤油は作れてたから。味噌、醤油は作れた』


「あー、え? どうやって?」


 来た! 香辛料がまだ少ない中世ヨーロッパ風の異世界に、革命を起こす調味料を作ったら無双できる!


 ここで一発逆転の異世界転生無双フラグに気づいたなら、祖母ならやってくれそうだ。


『どうだったか知らないけど、釜、瓶みたいなのがあって』


『その家の一角に味噌醤油』


「その今、農家レベルで作れるかどうか」



『うん農家レベルで作ってちゃう』


「具体的にどういう流れ? さっきの麦みたいなのがありました」


『そろそろそういうので』


「他には?」


『私は作ってないから親が作ってる』


『だから味噌醤油は家にそこいったらある』


「今の文化では塩くらいしかなくて」


「味噌とか醤油というそれは作る文化がない。というかそのもそも知らない」


『でも砂糖、塩はね、どうにも手に入らなかったね』


『業者っていうか、いるじゃん売りに来る人がよく背負って来るとか』


「じゃあその村の中で味噌とか醤油の文化はない」


『ないの?』


「ないない」


『味付け、何にもなし?』


「シンプルに塩みたいな」


「できるんだけどまだ文化が進んでいない。だったらどうする?」


「今の知識でなんとか味噌醤油を作れない?」


「なんとなく作り方、発酵のしかたみたいな」


「なんかそれを見よう見まねとかでできない?」


 作ってみる、作ると言って!


『ない、見たことない』


『そう何かをね、搾って醤油にする』


「そこをなんかねー。試行錯誤とかしてみたりしない?」


『できないね』


『大麦が麦からするんだけど』


『麹(こうじ)たるものもないじゃん』


 ※麹菌はみそ発酵と熟成に欠かせないもの


「麹(こうじ)、ああその菌ね」


「菌がない」


『麹菌もそう』


「納豆菌とか麹菌みたいのがないと、味噌とか納豆とか作れない」


「でも、これ仮に作れたら結構美味しいもとか振る舞えたよね」

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