第10話 食事を用意する

『田んぼで稲作り、麦作り、農家なんでもやってるからできます』


『料理も出来る。お風呂も池から水を汲んできて沸かして』


「じゃちょうど村では牛の肉も、牛とか豚とかもちょっといるから」


「プラスアワとかヒエとか昔ながらの穀物、米とかじゃなくて」


「そういうものとか、芋とかそういうのは作っている」


「じゃあその材料で何か作れるものありますかって」


「香辛料はなし、ただ塩はあるかな」


「ただ砂糖みたいな、そんな高級のものはない」


『まあ煮るか焼くか』


「あと何か広島じゃないけど、その辺の名物とかある?」


「これなら作れそうみたいなもの、とか」


『おかずは、煮っころがしみたいなジャガイモとか根野菜を煮る』


『お肉とか魚はなかった』


「やはりそこはお金があるところしか食べられない」


『いやいや、売ってないもの、もともと』


「でもさ、生まれ育った広島って海沿いだよね?」


『うちは三次(みよし)に、島根に近い』


「山の方だ」


『だから売りに来たら買ってたけど』


「なるほどそうか、海辺じゃないから」


「そんな新鮮な魚とかはこない」


『干物で持ってきたりとか』


『売りに来る人がいるわけよ。それでお金がなかったらお米で払って交換』


「あっ、物々交換するんだ」


「じゃあさっきの牛とか結構高い?」


『そうそうそう』


『野菜作ってる』


『ほとんど作ってるし、山へ行って、山で食べれるものも』


『結構あるのを教えてもらってたから』


「ああじゃあ何、山菜とかそういう山で食べられそうだものとか」


『結構知ってた』


「じゃあキノコの料理とか作れるかな?」


『タケノコあったしね』


「ちょうどその村もね」


「山近いから入って、好きにこう採っちゃって、鹿とかもいるかもしれない」


「じゃあそれで料理は作れる。塩だけだと難しいかな?」


「塩はね、やっぱり物々交換か何かで。作れないじゃん、海がないから」


『塩買ってたんだろうね。砂糖は難しかったね、なかったね』

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