アノ小説はなぜドラマ化・映画化・漫画化されたのか? ~あんな事、こんな事が書かれてた! あの人気作はこんなにエッチ?! これであなたの小説も映画になるかも!
第110回 この素晴らしい世界に祝福を! その1
第110回 この素晴らしい世界に祝福を! その1
「このすば」こと「この素晴らしい世界に祝福を!」は、暁なつめの小説です。漫画化、アニメ化されています。
また、続編やスピンオフ作品も出ており、シリーズ化されています。
さて、今まで私がレビューしてきた作品とはかなり趣が異なるこの作品を取り上げるのはなぜかと言いますと、現在構想中の「異世界ファンタジー」の参考とするためです。
私は今まで異世界ファンタジーは一度も書いた事がありません。それどころか、カクヨムに登録する以前は、ほとんど読んだ事もありませんでした。
そして、この分野ではお約束がとても多く、それらを知っていなければ書く事は出来ません。そこで、この分野の典型的な作品をいくつか読み込む事にしました。
といってもやはり何でもいい訳ではなく、自分の好きな作品でなければモチベーションも上がりません。幸運にも最初に立ち読みしたこの作品がすごく気に入りましたので、今回取り上げようと思いました。
—―「
これぞ典型的なお約束。「異世界」のお話ですから、「現世」からは離れる、つまり死んでしまうというお話が序盤に出てきます。
このお話は所々に笑いが盛り込まれていて、どんどん引きこまれてしまうのですが、この最初の主人公の死に方がまた可哀そうというか情けないというか。
小さな女の子の命を救ったヒーローかと思いきや、なんと何もしなければ女の子は怪我をする事もなかったのを、わざわざケガさせてしまったのです。
—―「あなた……。ゲームは好きでしょ?」—―(この素晴らしい世界に祝福を! 文庫版 P.12)
序盤で死んでしまった主人公の前に現れた女神のアクアのセリフです。アクアはタイトルで「駄女神さま」と呼ばれており、とんでもなく駄目な女神です。見た目はカワイイのですが。
異世界ファンタジーになかなかなじめない大きな原因がこの「ゲーム的要素」です。
私は中学~高校くらいの頃、テレビゲームにはまっていました。でも、私が得意だったのはインベーダーとかゼビウスのようなシューティングゲームと、パックマンとかスーパーマリオのようなアクションゲームでした。
残念ながらロールプレイングゲームは苦手です。私がゲーム狂だった当時流行っていた「ドルアーガの塔」とか「ドラクエ」こと「ドラゴンクエスト」もほとんどプレイした事がありませんでした。
こういうゲームが好きな方にとっては異世界ファンタジーは正にかっこうの分野なのでしょう。
しかし、私にとっては文字どおり「異世界」でしかありません。
—―「選びなさい。たった一つだけ。あなたに、何者にも負けない力を授けてあげましょう。例えばそれは、強力な特殊能力。それは、伝説級の武器。さあ、どんなものでも一つだけ。異世界へ持って行く権利をあげましょう」
アクアの言葉に、俺はそのカタログを受け取ると、それをパラパラとめくってみる。
……そこには、《
これまたお約束ですね。スキルとか魔法とか特殊能力とか。へんな武器なんかもあります。
主人公の和真は、これらのスキルではなく、アクアに向って「あんた」と言い、一緒に異世界転生する事になりました。
—―「アクア、とりあえず冒険者ギルドの場所だ。どこに行けばいいんだ?」—―(この素晴らしい世界に祝福を! 文庫版 P.23)
「冒険者ギルド」これまたよく出て来る場所です。作品によっては何の説明もなしに普通に出て来たりもします。でも私はこれが何なのか知りませんでした。
「このすば」では丁寧かつ面白い(?)解説がされています。
—―ゲームに必ず出てくる、冒険者に仕事を
なるほど、異世界にもハロワ(ハローワーク:公共職業安定所)があるのですね。
—―受付のお姉さんが、俺とアクアの前にそれぞれカードを差し出した。
「こちらに、レベルという
(中略)
このカードを持っていると、冒険者が吸収した経験値が表示されます。それに応じてレベルというものも同じく表示されます。これが冒険者の強さの目安になり、どれだけの討伐を行ったかもここに記録されます。経験値を
経験値とかレベルを数値化するというのも異世界ファンタジーで良く出てきます。ロールプレイングゲーム的ですね。
—―「いいわ、討伐行きましょう討伐!
なんかすごい余裕しゃくしゃくですが、このアクアがまたヘタレなのですね。
—―「ぐすっ……、うっ、うええええええええっ……、あぐうっ……!」
俺の前には、地面に
アクアはなんと、最初の敵「巨大ガエル」に食われてしまったのでした。主人公の和真になんとか助けられます。本当に駄女神ですね。この先どうなってしまうのでしょうか?
◇◇◇◇◇◇
読んでいただきありがとうございました。
次の第111回は引き続き「この素晴らしい世界に祝福を!」の秘密に迫ります。お楽しみに。
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