第11回 僕は明日、昨日のきみとデートする

「ぼく明日」こと「僕は明日、昨日のきみとデートする」は七月隆文の小説です。第3回京都本大賞受賞作です。俳優の福士蒼汰主演、女優の小松奈々がヒロインで映画化されています。また、大谷紀子により漫画化もされました。


 映画もすごく良かったです。主題歌であるBACKNUMBERの「ハッピーエンド」がこの映画の世界観にピッタリで泣けます。

https://www.youtube.com/watch?v=T8y_RsF4TSw


 これもネタバレがあります。まだの方はスルー推奨です。


 福士蒼汰と言えば屈指のイケメン俳優です。あまり演技派ではないですね。仮面ライダーや朝ドラ「あまちゃん」出演が有名。最近ですとドラマ「DIVER―特殊潜入班―」で主演したり、ドラマ「アバランチ」に出演していた事が記憶に新しいです。


 小松奈々と言えば、主に映画に出演し、この映画のヒロインははまり役でした。主演も多い人気女優です。例えば映画「糸」は、先日結婚した菅田将暉とW主演。2人のキューピットとなったこの映画は記憶に新しいです。間もなく上演される映画「余命10年」でも主演しています。


 主人公が小説を書いていて、ヒロインが手紙で感想を書いて渡すという小ネタが良かったです。ここだけフォントが手書き風になっていて臨場感があります。


 ものすごくマイルドですが、性描写があります。直接的なものはなく、ほのめかしです。以下引用します。


――なんでも上手くいきそうな気がしていた。

 愛美と布団の中でくっつくようにして向き合いながら、些細なきっかけでくすりと笑い合うぬくもりを分け合いながら。――(僕は明日、昨日のきみとデートする 文庫版 P.168)


 R15だとここまでぼかさないといけないのでしょうか。


 まあ、このお話は性はテーマになっていませんので、これで十分なのでしょう。


 タイトルから想像できますが、設定があまりにも残酷です。


 2人の時間の流れが逆に進むのです。どういう事かというと、お互いに自分にとっての未来が、相手にとっての過去になるのです。


 自分にとっての最初が、相手にとっての最後。悲し過ぎます。


 主人公の高寿は5歳のときに死にかけた時、35歳の愛美に命を救われました。逆に高寿が35歳になって、5歳の愛美を助けたのです。このように相手の命を助け合った特別な関係だからこそ、2人は20歳の時に出会えたのです。


 そしてその事実を高寿は愛美に聞かされて葛藤します。


 過ごしてきた時間を共有できないというのはなんて辛い事なのでしょう。


 愛美が異常に涙もろいというのは何かの伏線だろうとは思いましたが、まさかこんな事情があったなんて。


 とにかく泣けるいい話です。


◇◇◇◇◇◇



「僕は明日、昨日のきみとデートする」まで読んでいただきありがとうございました。


 もし、なる程と感じる所がありましたら、ぜひ★評価や♡評価とフォローをお願いします。



 よろしければ、私の代表作「妻の代わりに僕が赤ちゃん産みますっっ!! ~妊娠中の妻と旦那の体が入れ替わってしまったら?  例え命を落としても、この人の子を産みたい」もお読みいただけると嬉しいです。

https://kakuyomu.jp/works/16816927860596649713



 次の第12回は、「君の膵臓を食べたい」の秘密に迫ります。

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