第8回 ふがいない僕は空を見た その3

続きです。


 「2035年のオーガズム」からまた視点が変わります。この章は斎藤くんに片思いしている七菜ちゃん視点です。この娘ってすごく健気で、この小説の登場人物で一番好きです。思わず応援したくなるキャラ。


 ひょんな事から斎藤くんの正体を知ってしまうのですが、それでも彼の事を愛し続けます。残念ながらその恋はかないませんでしたが。


 映画化やドラマ化されるかどうかに限らず、面白い作品には必ずと言っていい程、魅力的なキャラの脇役が彩りを添えています。


 七菜ちゃんは上白石萌音のイメージですね。絶対はまり役だと思います。「恋つづ」こと「恋は続くよどこまでも」を思い出します。正月一気再放送の「ボス恋」こと「オー! マイ・ボス! 恋は別冊で」も良かったです。



 センセーショナルな章のタイトルと裏腹に性描写はごくわずかです。このタイトルは七菜ちゃんのお兄さんと関係があります。



 まずは斎藤くんの家に遊びに行って、偶然出産の現場を見てショックを受けるという場面です。これまたリアルですね。


 女性のアソコが濡れている様がリアルに描写されています。もちろん感じている訳ではなく、赤ちゃんを守っていた羊水で濡れているのですが。


 七菜ちゃんは第1章「ミクマリ」では助産師になりたいと言っていました。それなのにこれでは困りますね。



 性描写の場面では、あのいじらしい七菜ちゃんが大好きな斎藤くんとは別の男に処女を捧げそうになります。けっこうショックでしたね。未遂に終わってよかった。なんと入れる前に出てしまったのです。そして相手の男も実は本命が他にいて2回戦に挑みませんでした。


 たとえ未遂でも他の男と2人きりになるとはもっての他、なんて言ったらかわいそうです。これには深い事情があります。


 七菜ちゃんは斎藤くんとの恋がままならないだけじゃなく、他にも深刻な悩みがありました。実の兄があやしい宗教にはまってしまったのです。相手の男はお兄さんの同級生なので、お兄さん関連で知り合った人なのです。


 興味あるかたはぜひ読んでみてください。最後に斎藤くんといっぱいエッチして子供も作りたいってつぶやいてますから。


 勝負下着について触れていますね。たまたまこの日に斎藤くんのための勝負下着を着けていました。


 それから、七菜ちゃんはクリがすごく敏感なのです。なにせ好きな男ではないのにここを愛撫されて感じてしまうくらいですから。


 処女喪失の痛みと子ども産むのとどっちが痛いのかと言っています。これは言うまでもなく陣痛の方が痛いでしょう。なにせ男が経験したら死ぬなんて言われているくらいですから。


◇◇◇◇◇◇



 読んでいただきありがとうございました。



 次の第9回も引き続き、「ふがいない僕は空を見た」の秘密に迫ります。

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